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## 禁断のプライベートレッスン

「本気なの！？私、こんなオバちゃんなのよ？」

鏡に映った自分の姿に、千恵子は思わず顔をしかめた。艶やかな黒髪はどこへやら、今は白髪が目立ち、顔には深い皺が刻まれている。かつての面影は、薄汚れた部屋の片隅に置かれた、色褪せた写真の中にしか残っていなかった。

「大丈夫ですよ、千恵子さん。まだまだお綺麗ですよ。」

隣で微笑んだのは、息子の健太の友人だという、名前も顔も曖昧な若い男だった。彼は、千恵子が申し込んだ「大人のためのフィットネスプライベートレッスン」のインストラクターだという。息子の勧めで、体型維持のため、そして何より、寂しい日々を埋めるために申し込んだものだった。

しかし、レッスンが始まった途端、千恵子の心臓は激しく脈打ち始めた。薄着になったインストラクターの鍛え上げられた肉体。その無駄のない筋肉の動きに、千恵子は息を呑んだ。そして、彼が発する言葉や仕草は、単なるフィットネスの指導を超えていた。

「もっとリラックスしてください。体は心と繋がっています。」

そう言って、彼は千恵子の肩に手を置いた。その温かい感触に、千恵子は全身を硬直させた。彼女は、息子ほど歳の離れた男性に、こんな風に触れられるのは初めてだった。

「大丈夫、大丈夫。ゆっくりでいいんです。」

彼は、千恵子の硬直を解くように、優しく肩を揉み始めた。その力加減は絶妙で、千恵子の体は次第に弛緩していく。そして、彼の指先が背中を伝い、腰に触れた時、千恵子の体は微かに震えた。

「先生、あの…」

「どうしました？何か不都合でも？」

彼の顔が近づき、その熱い吐息が千恵子の耳にかかった。千恵子の顔は、みるみるうちに赤くなっていく。

「いえ、その…」

言葉に詰まる千恵子に、彼はさらに甘く囁いた。

「もっと、声を出していいんですよ。あなたの声が聞きたいんです。」

そして、彼の指先が、千恵子の服の隙間から肌に触れる。その軽やかな愛撫に、千恵子の体は未知の感覚に包まれた。長年、夫との関係は冷え切っていた。息子も独立し、一人で過ごす夜は、ただ静かで、そして寂しかった。

「先生…私、こんな…」

「大丈夫。誰も見ていませんから。」

彼の言葉は、千恵子の最後の理性を溶かしていった。部屋中に仕掛けられたカメラの存在に、この時、千恵子はまだ気づいていなかった。

レッスンは、次第にエスカレートしていった。彼の力強い腕に抱き上げられ、千恵子はまるで少女のように軽やかに扱われた。彼の熱いキスが、首筋、耳元、そして唇に注がれる。千恵子は、恥ずかしさと快感に、ただ身を任せるしかなかった。

「もっと、私にあなたを教えてください。」

彼の言葉に、千恵子は抗うことができなかった。息子世代のマッチョなインストラクターに、彼女は夢中になっていた。恥じらいを忘れた彼女の体は、彼の激しい愛撫に呼応し、熱を帯びていく。

「あ…ああ…」

千恵子の声が、部屋に響き渡る。それは、長年封印されていた、乙女の喘ぎだった。彼女は、自分の体がこんなにも反応するとは、夢にも思っていなかった。

「すごい…千恵子さん、本当にすごい！」

彼の賞賛の言葉が、千恵子の心をさらに燃え上がらせた。図々しかったオバちゃんは、まるで恥じらう乙女に舞い戻ったかのようだった。彼女は、今、この瞬間を誰よりも楽しんでいた。

しかし、その夜の出来事が、千恵子の人生を大きく変えることになるなんて、彼女はまだ知る由もなかった。部屋中に仕掛けられたカメラは、彼女の秘密の瞬間を、全て記録していたのだから。

数日後、千恵子の元に、匿名のメールが届いた。添付されていたのは、あの夜の、彼女の恥ずかしい姿を捉えた動画だった。

「お見せしたいものが、あります。」

メールには、そう書かれていた。千恵子は、恐る恐る動画を開いた。そこには、信じられないほど恍惚とした表情で、インストラクターに抱かれる自分の姿があった。

「これは…一体…」

千恵子の心臓が、激しく脈打った。彼女は、この動画がどのようにして流出したのか、そして誰が送ってきたのか、全く理解できなかった。

その数日後、千恵子は、あのフィットネスジムで、インストラクターの姿を見た。彼は、いつものように笑顔で、新しい生徒に指導していた。千恵子は、彼に近づき、あのメールのことを問い詰めようとした。

「先生、あの…」

しかし、インストラクターは、千恵子の言葉を遮るように、優しく微笑んだ。

「千恵子さん、お久しぶりです。あの夜のレッスン、楽しんでいただけましたか？」

彼の言葉に、千恵子は息を呑んだ。

「あなた…まさか…」

「ええ。あのカメラ、私が仕掛けたものです。」

インストラクターは、悪戯っぽく笑った。千恵子は、その言葉に、全身から血の気が引くのを感じた。

「でも、大丈夫ですよ。あの動画は、私しか持っていません。そして、それは、千恵子さんの秘密の宝物です。」

彼は、千恵子の手を取り、その指先にキスをした。

「ですから、これからも、私と、秘密のレッスンを続けませんか？」

千恵子は、彼の言葉に、ただ立ち尽くしていた。恥ずかしさ、恐怖、そして、微かな期待。彼女の心は、未知の感情で乱れ始めた。

その夜、千恵子は、再びあのジムへ向かった。彼女の心は、もう、あの頃の「オバちゃん」ではなかった。禁断のプライベートレッスンは、まだ、始まったばかりだった。