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## 終電を逃して

夜の空気は、冷たく、そして重かった。終電を逃した私は、駅前のコンビニで買った温かいカフェオレを握りしめ、呆然とホームを見上げていた。さっきまで、友人の彩香からの衝撃的な告白に頭が混乱していたからだ。彩香、しっかりした彼女が不倫をしているというのだ。信じられなかった。私自身は、恋愛とは程遠い生活を送っている。恋愛小説を読みふけり、妄想に浸る方が性に合っている。彩香の話は、まるで小説の一場面のように、現実離れしていた。

そんな混乱した頭を整理するために、高校時代の親友、浩太に連絡を取った。浩太なら、どんな話にも耳を傾けてくれるだろう。彼はいつも、私の愚痴や悩みを、冷静に、そして温かく受け止めてくれた。

「終電逃しちゃってさ…話聞いてくれる？」

電話の向こうから、浩太の落ち着いた声が聞こえた。「今どこ？迎えに行くよ。」

彼の優しさに少しだけ心が救われた気がした。駅前で待ち合わせをし、彼の車に乗り込む。車内は、彼の好きなジャズが静かに流れていた。彩香の話を始めるべきか迷ったが、結局、全てを打ち明けた。不倫という事実、そして自分が抱く戸惑い、驚き、そして少しの羨望さえ。

浩太は、真剣な顔で私の話を聞いていた。そして、最後にゆっくりと口を開いた。「意外だな。彩香って、そんな人だと思わなかった。」

彼の言葉に、私は少しホッとした。それから、私たちはいつものように、くだらない話や近況報告をして、気まずい空気を吹き飛ばしていった。

「…ところで、俺も最近ちょっと…複雑な状況なんだ。」

浩太は、そう切り出した。彼の言葉は、まるで静かな湖に落とされた小石のように、静かに、そして確実に私の心を揺さぶった。彼は、誰かと付き合っているわけではなかったはずなのに…。

彼の言葉に引き込まれるように、私は彼の話を聞いた。彼には、憧れの女性がいて、その女性とは、お互いに好意を抱きながらも、踏み込めないでいる、というのだ。その女性の言葉や仕草一つ一つに、浩太は心を奪われていた。

話を聞いているうちに、彼の気持ちを理解できるようになった気がした。彩香の不倫、そして浩太の片思い。どちらも、私とは全く違う世界のことなのに、妙に現実味を帯びて、胸に迫ってきた。

そして、彼は静かに車を停めた。「…ちょっと話したいことがあるんだ。」

彼が真剣な表情で言ったその言葉に、私は、何かを感じ取った。彼の言葉に導かれるように、私は、彼の隣に体を寄せた。

彼の熱い視線を感じ、私は彼の胸に顔を埋めた。すると、彼は私の髪を優しく撫で始め、そして、私の頬にそっとキスをした。

「ダメだよ、こんなの…」

私はそう呟いたが、彼の温もりは心地よかった。彼の唇は、私の唇に何度も触れてきた。そして、服の上から、私の胸を優しく揉み始めた。彼の指先が、私の肌に触れるたびに、私の体には、今まで感じたことのないような熱が巡り始めた。

私は抵抗する気力すら失っていた。彼の腕の中で、私は次第に自分の感情を制御できなくなっていった。いつの間にか、私のパンティは脱がされていた。

…続く


## 二話目：朝の光

薄暗い車内の後部座席で、私たちは情熱を燃やしていた。朝が来るのが怖かった。浩太との一夜は、予想だにしていなかった出来事だった。彩香の不倫の話から始まったはずなのに、いつの間にか、私も彼と深く関わってしまっていた。

朝焼けが車内を薄く染め始めた頃、私たちは静かに服を着始めた。お互いの目を見つめ合うこともなく、ただ黙々と作業をするように。

「…ごめん。」

浩太が、そう呟いた。彼の声には、後悔と、そして何とも言えない寂しさが混じっていた。

私も同じ気持ちだった。彼の優しさ、温もりは確かに心地よかった。しかし、この行為が、私たちの関係をどう変えてしまうのか、全く分からなかった。

「…うん。」

私は、小さく頷いた。言葉にならない感情が、胸に渦巻いていた。

彼の車から降りると、朝の光がまぶしかった。いつもの風景なのに、全てが違って見えた。彩香の不倫、そして私と浩太の関係。これらの出来事が、私の人生にどのような変化をもたらすのか、まだ想像もつかなかった。

その日は、大学を休んだ。彩香にも連絡しなかった。考え事をしたくて、カフェでコーヒーを何杯も飲んだ。浩太との夜のことは、まるで夢の中にいるようだった。現実なのか、それとも、終電を逃したことが引き起こした、現実離れした出来事なのか。

数日後、浩太から連絡があった。「あの日のことは…忘れてくれるな。」と彼は言った。彼の言葉は、まるで未来への暗号のようだった。

私は彼の言葉に、複雑な感情を抱いた。彼の気持ちは理解できる。しかし、私自身も、あの夜を簡単に忘れられるとは思えなかった。あの夜の熱、そして彼の優しさ、全てが、私の心に深く刻まれていた。

彩香の不倫は、私の人生に大きな波紋を広げた。そして、その波紋は、私と浩太との関係にも影響を与えた。この先、どうなるのかわからない。しかし、私は、この出来事を、自分自身の成長の糧にしたいと思っている。あの夜の出来事は、私にとって、予想外の、そして忘れられない経験となった。そして、それは、私の人生を大きく変えていくのかもしれない。  終電を逃したあの夜から、私の世界は、少しずつ、しかし確実に変化し始めていた。