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## 坊主とカメラ

二十三歳の裕也は、坊主頭がまぶしいほどに光っていた。日焼けした肌は健康的で、がっしりとした体格は、柔道の経験者であることを物語っていた。サバサバとした性格で、誰に対しても分け隔てなく接する彼の姿は、スタッフの間で既にちょっとした人気者だった。

今回の仕事は、ある大学の社会学研究室が依頼した、現代の若者の性に関する意識調査のためのドキュメンタリー映像制作だった。被験者は裕也一人。彼は、研究室の教授から紹介された、いわばボランティア参加者だった。

「裕也君、協力ありがとうね。最初は少し戸惑うかもしれないけど、リラックスして答えてくれれば大丈夫だよ」

担当ディレクターの山田さんは、穏やかな笑顔で説明した。裕也は、軽く会釈をしてカメラの前に座った。

最初の質問は、ごく一般的なものだった。生活習慣や友人関係、趣味など。裕也は、一つ一つの質問に丁寧に、そして何よりも自然に答えていった。彼の飾らない正直な言葉は、カメラ越しに見ている山田さんたちを魅了していった。

しかし、インタビューは次第に核心へと迫っていく。性に関する質問が始まったのだ。

「えーっと、裕也君。君の…身長と体重を教えてもらえますか？」

「はい。178センチ、75キロです」

「ありがとうございます。では、次に…あの…ペニス…の長さについて教えていただけますか？」

カメラがわずかに裕也をアップにした。一瞬、彼の表情が硬直したように見えたが、すぐにいつもの穏やかな表情に戻った。

「計ったことないんで、正確にはわかんないですけど…10センチくらいかな？」

裕也は、まるで自分の身長や体重を答えるかのように、平然とした様子で答えた。山田さんは、思わず息を呑んだ。その予想外の反応に、スタッフ一同は驚きを隠せない。

質問はさらに踏み込んでいく。「オナニーは？」「性的な経験は？」「好きなタイプは？」　一つ一つに裕也は戸惑うことなく答えていく。オナニーは風呂場で済ませていること、性的な経験はまだないこと、好きなタイプは「面白い人」であること。彼の言葉は、飾らない生々しさを持って、カメラに収められていった。

そして、インタビューはクライマックスを迎えた。山田さんは、突然、カメラを置き、裕也に近づいていった。「裕也君、少し服を脱いでもらってもいいかな？」

裕也は一瞬、戸惑いを隠せない表情を見せたが、すぐに冷静さを取り戻し、言われるがままに服を脱ぎ始めた。鍛え上げられた筋肉質な体。その体には、まるで何の抵抗もなく、カメラが向けられている。

山田さんは、裕也のペニスを触った。裕也は、顔を少し赤らめながらも、それを受け入れた。その様子は、まるで日常の一コマのような自然さで、カメラに捉えられていた。

そして、山田さんは、ついにカメラを持ちながら裕也のペニスを口にした。

その時、裕也の表情は変わった。戸惑い、驚き、そして何とも言えない困惑が、彼の顔に浮かび上がった。それは、これまで見せていた何気ない表情とは全く異なっていた。

「…気まずいっすね…」

口にした後、裕也は小さく笑った。それは、苦笑いだった。

射精した後、山田さんは尋ねた。「どうだった？」

裕也は、再び苦笑いしながら答えた。「気まずいっすね…」

しかし、その言葉の裏には、複雑な感情が渦巻いているようだった。心の中では、予想外の展開に戸惑い、そして少しの興奮を感じていたのかもしれない。彼のギンギンに勃起したペニスは、それを裏付けているかのようだった。

撮影後、裕也は山田さんに感謝の言葉を述べた。「ありがとうございました。…ちょっと、予想外でしたね」

山田さんは、複雑な表情で頷いた。裕也のノンケっぽい、しかし、時に垣間見える繊細な感情が、このドキュメンタリーに深みを与えていた。この映像が、現代の若者の性に関する意識を解き明かす一助となるのだろうか。そして、裕也自身の心の内側を、どれだけ映し出せたのだろうか。

撮影を終えた後、スタッフはしばし沈黙した。裕也の反応は、予想をはるかに超えていた。彼の真意は、はたしてどこにあったのだろうか。そして、この映像は、一体どのような解釈を生み出すのだろうか。彼らの胸には、様々な思いが去来していた。  それは、裕也の正直さ、そして彼の内面にある複雑な感情が、予想外の化学反応を起こした結果だった。そして、その反応は、彼自身にも、そしてスタッフにも、忘れられない経験として刻まれたのだった。