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## 断絶の果実

五十歳になったばかりの桐生健司は、リストラされた。三十年勤めた会社から、あっさり、まるで不要な部品のように切り捨てられた。怒り、悔しさ、そして絶望。その感情は、すべて社長の愛人であると噂される、美しいが冷酷な社長夫人、美咲に向けられた。美咲は、健司の会社での苦労や努力などには関心がないかのように、彼の失業を嘲笑うかのような態度をとり、健司の怒りは頂点に達した。

一方、健司の妻、恵子は、真面目で清楚な女性だった。健司の失業後も、明るく振る舞い、彼を励まそうとしていたが、心の底には不安が渦巻いていた。そんな恵子の日常に、ある日、衝撃的な出来事が起こる。健司が出張に出かけた直後、義弟の浩二が、突然、玄関に現れたのだ。浩二は恵子を押し倒し、抵抗する彼女を無理やり犯そうとした。「やめて！見ないで！あ～～おかしくなっちゃうーー！」恵子の悲痛な叫びは、静かな住宅街に響き渡ったが、誰も助けには来なかった。

それから数日後、健司は、恵子の様子がおかしいことに気づいた。普段とは明らかに違う、どこか虚ろな表情。そして、彼女の着ていた服は、いつもより明らかにサイズが大きかった。恵子は、浩二との出来事を、健司には打ち明けられずにいた。

健司は、新たな住まいを探し始め、郊外の一軒家に引っ越した。しかし、そこには新たな恐怖が待ち受けていた。近所に住む、古びた作業着を着た老人の男が、夜な夜な、彼らの家の庭をうろついていたのだ。ある日、その老人が、彼らの家に侵入してきた。「何するの、触らないで！」恵子は叫んだが、老人は、容赦なく彼女の衣服を剥ぎ取っていった。

不幸は、さらに健司を襲った。父親が亡くなり、葬儀の最中、借金取りがやって来たのだ。父親の死を悼む間もなく、健司は、借金取りに連行されそうになった。そして、借金取りの男は、恵子を目の前にして、健司を殴り倒し、彼女を犯そうとした。「ううーー！お尻までイヤ～～！」恵子の悲鳴は、葬儀場の悲しみに満ちた空気を切り裂いた。

その後、健司は再婚した。後妻の美智子は、連れ子である十代の息子、翔太を連れてきた。美智子は、家事を手伝ってくれる家政婦を雇った。ある日、家政婦は、翔太が健司を性的に挑発する場面を目撃した。翔太は、美智子と健司の関係を、明らかに嘲笑うような表情で見ていた。家政婦は、その様子を健司に報告しようとしたが、翔太は先回りして、家政婦を脅迫した。「さっき見てたな！」

一方、健司の母は、娘婿の雄大な巨根に強い興味を持つようになった。「こんなことダメよ、でも大きくて…いいー！」と、彼女は息子の夫に抱きしめられた。

そして、恵子は、健司との関係が冷え切っていく中で、不動産屋の男に慰めを求めた。五十路の教師、一郎は、恩師と恩師の同級生という、二人の女性に同時に犯された。「お尻でイッちゃう～～！」と彼は叫んだが、その快楽の底には、深い屈辱と絶望が潜んでいた。

家政婦は、健司の部下と密かに関係を持つようになり、その様子は、また別の誰かの目に見られていた。彼らの行為は、会社という組織、そして家族という枠組みを、少しずつ蝕んでいった。

健司のリストラをきっかけに引き起こされた一連の出来事は、それぞれの登場人物の心の闇を暴き、人間の欲望と脆さを浮き彫りにする。断絶された家族、崩壊していく社会。その断片を繋ぎ合わせるように、物語は暗く、しかし力強く進んでいく。彼らの未来は、どこへ向かうのだろうか。  希望の光は、本当に存在するのだろうか。