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## 喪服の涙と、燃える欲望

第一章　斎場の余韻

黒塗りの霊柩車が去った後、斎場は静寂に包まれていた。松田は、慌ただしく片付けを終え、喪主を務めた川島澄江の忘れ物――一本の真珠のネックレス――を届けに、彼女の自宅を訪れていた。澄江は40代半ば、深い喪服の黒が彼女の憔悴した顔色を際立たせていた。

「ご、ご苦労様でした…」

澄江は震える声で礼を言った。松田は、彼女が亡き夫・健一の葬儀の疲れと悲しみで消耗しているのが見て取れた。彼はプロとして、淡々と忘れ物を手渡そうとしたが、澄江の言葉が耳に止まった。

「斎場で…立ち聞きしちゃったんですけど…」

澄江は、低い声で話し始めた。松田は、プロの表情を保ちつつ、彼女の言葉に耳を傾けた。

「亡くなった主人…健一の浮気相手が、葬儀に来たんです。病院にも見舞いに来てたらしい…」

澄江の言葉は、抑えきれない怒りと悲しみで震えていた。松田は、彼女の言葉から、想像をはるかに超える健一の浮気を察知した。

「…嫌いなんですよね、健一の事！」

澄江は、突然、声を荒げた。今まで抑え込んでいた感情が、堰を切ったように溢れ出した。彼女の言葉には、夫への激しい憎悪と、同時に、深い孤独が滲んでいた。

「今日、主人の葬式だったのよ！」

彼女は涙を流しながら、言葉を詰まらせた。松田は、彼女の悲しみに言葉を失った。しかし、同時に、彼の体には奇妙な変化が起きていた。澄江の深い悲しみ、抑えきれない怒り、そして、その奥底に潜む寂しさ…。それらが、松田の性欲を刺激していた。

「舐めないで…」

澄江が、かすれた声で言った。それは、拒絶の言葉でありながら、同時に、奇妙な誘いにも聞こえた。松田は、自分の抑えられない欲望に驚き、同時に、興奮した。彼のズボンの中で、肉棒が勃ち上がり始めていた。

澄江の寂しさ、哀しみ…。それらは、松田の欲望をさらに燃え上がらせた。そして、彼は、自分のプロ意識を完全に失い、澄江を抱きしめた。

「…」

澄江は抵抗したものの、彼女の体には、抑えきれない倦怠感と、奇妙な快感があった。彼女は、夫への憎悪と、孤独感に覆われていたが、松田の肉体的な触れ合いによって、その感情が少しだけ和らいだ気がした。

その夜、澄江は松田に抱かれた。それは、悲しみと欲望が混ざり合った、忘れられない夜となった。


第二章　同級生の欲望

澄江は、ある事情で多額の借金を抱えていた。その債権者とは、高校卒業以来一度も会っていなかった同級生、佐藤浩一だった。

浩一は、澄江に会うなり、借金の返済について切り出した。しかし、澄江は、返済の目処が立たないことを告げた。

「お金の件なんだけど、返すの半年ほど待ってくれない？」

澄江は、恐る恐る尋ねた。浩一は、少し考え込んだ後、予想外の提案をした。

「困ってら返さなくてイイから、その代わり一回だけ俺と…」

浩一の言葉に、澄江は言葉を失った。浩一の提案は、澄江にとって、屈辱以外の何物でもなかった。しかし、多額の借金を抱える彼女にとって、それは、唯一の選択肢なのかもしれないと、彼女は思った。

「なにすんの！いやだーっ！」

澄江は、抵抗したが、浩一の執拗な求愛は止まらなかった。

「この熟れた体を目に焼き付けときたいんだよ！」

浩一は、澄江の体に触れながら、興奮を露わにした。澄江の体には、夫への憎悪、孤独、そして、借金への不安が渦巻いていた。

「こんなにいっぱい毛が…」

浩一は、澄江の体を見つめながら、言った。それは、軽蔑的な言葉ではなく、むしろ、一種の畏敬の念を込めた言葉のように聞こえた。澄江は、浩一の言葉に、奇妙な快感を感じた。それは、長年抑圧されていた欲望の解放なのかもしれないと思った。

澄江は、浩一の欲望に身を委ねた。それは、借金への償いでもあったし、長年抑圧されていた欲望の解放でもあった。そして、同時に、それは、彼女自身の心の闇を照らし出す、残酷な現実でもあった。

二つの物語は、それぞれ異なる状況、異なる相手、異なる感情の下で展開されたが、共通しているのは、人妻の深い孤独と、それを埋めるかのように押し寄せた欲望だった。喪服の涙と、燃える欲望。それは、彼女たちの心の闇を映し出す、残酷で美しい物語だった。