【無料エロ動画】美麗熟女 薫（53歳）【アダルトAV】

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## 薫の回廊

窓の外は、どんよりとした鉛色の空が広がっていた。53歳。薫は、その数字を静かに反芻した。夫の健一との結婚生活は、もう20年になる。20年という歳月は、彼女の心にしわを刻み込み、そして、そのしわは、健一への恐れという形で、肌に深く刻まれていた。

健一は、典型的な亭主関白だった。朝食は決まった時間に、決まったメニューを運ぶ。健一が新聞を広げれば、物音一つ立てずに、その気配に背を向けながら身支度をする。彼の機嫌を損ねることは、薫にとって、生きた心地のしない時間だった。食器を置く音、ドアの開閉音、咳払いの一つ一つに、薫の心臓は跳ね上がった。いつ、何が、彼の不機嫌の引き金になるのか、予測不能なその日々は、まるで地雷原を歩くようだった。

「薫、夕食はまだか」

低く響く声が、リビングのドア越しに聞こえてきた。薫は、台所で切っていた野菜を落としそうになった。冷や汗が背中を伝う。

「すぐに、お持ちします」

早口で答えると、彼女は急いで皿に盛り付けた。健一の視線を感じながら、食卓に置く。彼は、黙って箸を手に取った。その沈黙が、何よりも薫を追い詰めた。

「今日の煮物、味が薄いな」

ポツリと漏らされた一言に、薫は全身が凍りついた。薄い、ということは、まずい、ということだ。健一の口に合わないものが食卓に上ることは、彼女にとって最大の失敗だった。

「ごめんなさい。すぐに、お塩を足します」

薫は、青ざめた顔でそう言い、キッチンに駆け込もうとした。しかし、健一は彼女の腕を掴んだ。

「いい、もう。別に、お前がまずいものを作ろうが、俺は構わない。ただ、お前が、俺のために一生懸命やろうとしているのか、それが聞きたいだけだ」

その言葉に、薫は息を呑んだ。健一は、いつもこうだった。直接的な怒りをぶつけるのではなく、遠回しに、しかし確実に、彼女の罪悪感を刺激してくる。

「もちろん、一生懸命やっております」

絞り出すような声で答える。健一は、彼女の腕を離した。

「そうか。ならいい」

彼は、再び食事に集中した。薫は、ただその場に立ち尽くすしかなかった。

薫が健一と結婚したのは、30代後半だった。それ以前に、彼女には一度、結婚歴があった。息子は、今、大学に通っている。一人で息子を育てながら、仕事と家事を両立させる日々は、決して楽ではなかった。そんな時、健一が現れた。彼は、彼女の経済的な状況や、息子の存在を、一切気にすることなく、彼女に尽くしてくれると、そう言った。

「俺なら、お前と息子を、幸せにできる」

その言葉を、薫は信じた。彼との再婚は、彼女にとって、失われた安定を取り戻すための、大きな賭けだった。しかし、現実は、想像とはかけ離れていた。健一は、外では優しく、社交的な人物だった。しかし、家に入ると、その態度を豹変させた。

「お前は、俺の妻として、もっとこうあるべきだ」

「息子が、そんな風に育つのは、お前のせいだ」

彼の言葉は、常に薫を責め、貶めるものだった。息子の前では、決してそんな素振りは見せなかったが、二人きりになると、健一は、薫の精神をじわじわと削り取っていった。

ある夜、薫は、いつものように健一の夕食の支度をしていた。健一は、リビングでテレビを見ていた。食事を終え、健一は、薫に近づいてきた。その瞳には、いつもの冷たい光が宿っていた。

「薫、お前、最近、俺を避けているだろう」

低い声で、薫に問いかけた。彼女は、心臓が早鐘を打つのを感じた。

「そんなことは…」

「嘘をつくな」

健一は、薫の顎を掴み、無理やり顔を上げさせた。彼の指先が、冷たく、そして力強かった。

「俺はお前を、妻として、女として、満たせていないのか？」

その言葉に、薫は、恐怖と屈辱で震えた。健一は、彼女の反応を見て、満足そうに微笑んだ。

「ならば、俺が、お前を、満たしてやる」

そう言って、健一は、薫を抱きしめた。それは、愛情からくるものではなく、支配欲からくる、荒々しい抱擁だった。薫は、抵抗することもできず、ただ、されるがままだった。健一の強引な営みは、彼女にとって、苦痛でしかなく、そして、その度に、彼女の心は、少しずつ、壊れていった。

その夜も、健一は、薫に激しく迫った。彼女は、目を閉じ、ただ、その瞬間が早く過ぎ去ることを祈った。健一の汗が、彼女の肌にべっとりと付着する。その感触が、彼女をさらに追い詰める。

「もっと、応えろよ、薫」

健一の耳元での囁きに、薫は、かすかに首を振った。彼女の体は、鉛のように重く、そして、冷たくなっていた。

「ふん、相変わらずだな」

健一は、そう言って、薫の体から離れた。彼の顔には、失望の色が浮かんでいた。

「でも、まあ、お前も、もう年だしな」

彼は、そう言って、寝返りを打った。薫は、一人、暗闇の中で、虚ろな目で天井を見つめていた。

朝、健一が目覚める前に、薫は、そっとベッドから抜け出した。台所で、朝食の準備をする。いつものように、健一が目覚めるまでの静寂。しかし、その静寂は、以前とは異なっていた。そこには、絶望だけではなく、微かな、しかし確かな、何かが芽生え始めていた。

息子が、大学から帰省してきた。薫は、息子の笑顔を見るのが、何よりも好きだった。息子の声を聞くと、健一との日々の重圧から、少しだけ解放される気がした。

「お母さん、元気？」

息子の問いに、薫は、精一杯の笑顔で答えた。

「ええ、元気よ。あなたはどう？」

息子の部屋で、二人は、とりとめのない会話をした。大学での出来事、友達のこと、将来のこと。息子の屈託のない笑顔を見ていると、薫の胸に、温かいものが込み上げてきた。

「ねえ、お母さん」

息子が、ふと、真剣な顔で薫を見た。

「どうしたの？」

「お母さん、最近、少し痩せた？ 顔色も、あまり良くないみたいだけど…」

息子の心配そうな言葉に、薫の目から、ぽろりと一滴、涙がこぼれた。

「大丈夫よ。ちょっと、疲れているだけ」

薫は、そう言って、息子の手を握った。その温かさに、彼女は、少しだけ、勇気をもらった気がした。

その夜、健一は、いつものように、薫に迫ってきた。しかし、薫の心は、以前とは違っていた。息子の笑顔が、脳裏をよぎる。彼女は、健一の腕を、静かに振り払った。

「嫌です」

絞り出すような声ではなく、はっきりとした、意思を持った声だった。健一は、驚いた顔で、薫を見た。

「何だと？」

「嫌です。もう、無理です」

薫は、震える声で、しかし、はっきりと、そう言った。健一は、顔を真っ赤にした。

「お前、何を言っているんだ！」

「私は、もう、あなたに、従うことはできません」

薫は、生まれて初めて、健一に、真っ向から反抗した。その瞬間、彼女の心の中に、長年閉じ込められていた何かが、堰を切ったように溢れ出した。

「あなたは、私を、人間として、扱ってこなかった。いつも、道具のように、支配しようとした。でも、私は、もう、そんな生活には、耐えられません」

薫の言葉に、健一は、言葉を失った。彼は、予想外の反抗に、どう対応していいのか、分からなくなっていた。

「あなたのような人と、一緒にいることは、もう、できません」

薫は、そう言って、部屋を出た。彼女の足取りは、以前のような、びくびくとしたものではなく、しっかりと、地面を踏みしめる、力強いものだった。

ドアの向こうで、健一が、呆然としているのが分かった。しかし、薫は、振り返らなかった。彼女の心には、不安もあった。しかし、それ以上に、解放感と、これから自分がどう生きていくのか、という、かすかな希望が、芽生え始めていた。

彼女は、窓の外の、まだ、どんよりとした空を見上げた。しかし、その空は、以前ほど、彼女を圧迫するものではなかった。薫の回廊は、まだ、始まったばかりだった。そして、その回廊の先には、きっと、彼女自身の、新しい光が待っているだろう。