【無料エロ動画】青春H カレーのにおい【アダルトAV】

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藤瀬健太朗、32歳。職業はフリーランスのウェブデザイナーだが、彼の真の職業は「カレー収集家」とでも言うべきだろう。正確に言えば、女性が作るカレーを収集する、というより正確な表現は「女性を介してカレーを収集する」といったところか。

彼の冷蔵庫は、スパイスの香りが立ち込める異次元空間と化していた。五種類のカレーが常備されている。それぞれが異なるスパイスの配合、異なるルーの濃度、そして何より異なる女性の愛情が凝縮されている。A子はスパイスの効いた本格派、B子は甘口で家庭的な味、C子は野菜がたっぷり入ったヘルシー志向…と、彼の冷蔵庫はまるでカレーの博物館だ。

藤瀬は複数の女性と同時に付き合っている。しかし、それは決して恋愛感情によるものではない。彼を突き動かすのは、純粋なカレーへの愛、そして各々の女性が作る唯一無二のカレーの味なのだ。

「ねえ、今日の夕飯、カレー作ってくれる？」

デートの約束は、いつもこの一言から始まる。そして、デートの目的は、当然ながら、彼女が作るカレーを食べること。彼はデート中、女性の話には適当に相槌を打ち、時には適当な冗談を飛ばしながらも、常にカレーのことを考えている。料理が得意な女性を積極的に選び、レシピやスパイスの配合をさりげなく聞き出し、次のデートへの期待を膨らませていた。

彼の生活は、緻密に計算されたカレーのローテーションで構成されている。月曜日はA子、火曜日はB子、水曜日はC子…と、まるでカレーの曜日カレンダーのようにスケジュールが組まれている。女性たちは、彼のカレーへの異常なまでの執着を理解しつつも、彼の飄々とした態度と、案外まともな（カレー以外の）会話に、まんまと騙されている、というか、ある意味楽しんでいるようだった。

ある日、彼の前に現れたのが、香織だった。

彼女は、絵を描くのが趣味の自由奔放な女性。彼の友人を通じて知り合った彼女は、藤瀬の他の女性たちとは明らかに違っていた。彼女は、カレーを嫌っていた。

「カレーって、なんか…苦手なのよね」

香織は、彼のカレーへの異常なまでの執着を聞き、少し引いた表情でそう言った。藤瀬は、初めて言葉を失った。自分の世界が揺らぐような感覚だった。今まで、カレーがすべてだった彼の日常に、初めての「想定外」が飛び込んできたのだ。

これまで、カレーは彼の世界の全てだった。しかし、香織といると、カレーのことなど忘れてしまうほど、心が穏やかになった。彼女の絵を描く姿、独特のユーモアのセンス、そして何より、彼女と一緒にいる時の、何とも言えない心地良さ。彼は初めて、カレー以外の何かを求めていることに気付いたのだ。

「じゃあ、今日は僕が作るね。パスタはどうかな？」

初めて、藤瀬はカレー以外の料理を作ろうとした。パスタを作るのは初めてだったが、香織のために、精一杯頑張った。少し焦げてしまったトマトソースも、香織は笑顔で食べてくれた。

「美味しい！」

その言葉は、どんな高級カレーよりも、彼を幸せにした。

その後、藤瀬は少しずつ、女性たちとの関係を整理していった。カレーへの執着は完全に消え去ったわけではないが、それはもはや彼の生活の中心ではなくなった。香織との関係は、日を追うごとに深まっていった。

ある日、香織が彼のためにカレーを作った。

「ちょっと…挑戦してみたんだけど…」

少し不安げな表情で、香織は手作りのカレーを差し出した。それは、今まで彼が食べてきたどのカレーとも違う、シンプルなカレーだった。しかし、その味は、彼を感動させた。それは、スパイスの複雑な調和ではなく、香織の愛情が凝縮された、温かい味だった。

「美味しい…」

藤瀬は、涙がこぼれそうになるのを抑えながら、そう呟いた。それは、ただのカレーではなく、香織という女性への愛がこもった、かけがえのない味だった。

冷蔵庫には、五種類のカレーは空になり、香織が作った、シンプルなカレーが一つだけ残っていた。彼のカレー収集家としての時代は終わり、新たな人生の幕が開けたのだ。そして、その人生のスパイスは、カレーではなく、愛だった。  彼は、彼女と、そして彼女が作った、世界でたった一つのカレーを、大切に温めていた。