お隣さんの夜の営み、気になりませんか？1【無料エロ動画視聴/アダルトAV】

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■ 熟年の灯火（ともしび）

「お父さん、もう寝る時間だよ。」

美佐子は、リビングのソファで微睡んでいた夫の健一に優しく声をかけた。健一は、新聞を膝に抱えたまま、すっかり白くなった頭をゆっくりと持ち上げる。

「おや、もうそんな時間か。つい、この新しい囲碁の本を読んでしまってね。」

健一は、少し照れたように微笑んだ。もう70歳を過ぎた二人にとって、毎晩の会話は、穏やかな時間となっていた。でも、その穏やかさの中に、確かに灯り続ける火があることを、二人は知っていた。

「健一さん、今日は雨だから、足元お気をつけて。」

「わかっているよ。美佐子こそ、夜更かしは体に悪い。早く休みなさい。」

会話は、いつもこうだ。特別な言葉はなく、日常の些細な気遣いが交わされる。それでも、その端々に、数十年という歳月を共に過ごしてきた夫婦ならではの、静かで確かな愛情が滲み出ていた。

美佐子は、健一が寝室へ向かうのを見送り、ふと窓の外に目をやった。向かいの家、田中さん宅の明かりが、まだ消えていない。田中さんも、健一と同じくらい齢を重ねた、優しそうなご主人だ。

「あの夫婦も、きっと毎日…。」

美佐子は、思わず呟いた。隣の田中さん宅の、あの静かな暮らしぶり。二人の間で交わされる、ごく自然な仕草。もしかしたら、自分たちと同じように、夜の静寂の中で、温かい時間を共有しているのかもしれない。そんな想像が、美佐子の胸をくすぐった。

数日前、美佐子は親友の陽子と会っていた。陽子もまた、夫と長い年月を共に過ごし、子供たちも独立している。

「ねぇ、美佐子。私たちって、まだ『そういうこと』してる？」

陽子は、少し悪戯っぽく笑いながら、核心を突くような質問を投げかけてきた。美佐子は、一瞬、戸惑ったが、すぐに正直に答えた。

「ええ、たまにはね。健一さんも、まだそういうことを求めてくれるのよ。」

「あら、それは良いわね！ うちなんて、もうお互い遠慮がちよ。でも、それでも、やっぱりそういう時間がないと、夫婦の繋がりって、少しずつ薄れていく気がするのよね。」

陽子の言葉に、美佐子は深く頷いた。若い頃のような情熱的なものではない。でも、そこには、確かな「求める心」があった。それは、肉体的な欲求というよりも、もっと根源的な、相手を必要とする心の叫びのようなものだった。

「でも、最近は、ちょっと恥ずかしいのよ。こんな年で、まだって思われたらって。」

美佐子は、顔を赤らめながら陽子に打ち明けた。

「あら、何を言ってるのよ！ 年なんて関係ないわ。むしろ、長年連れ添った相手だからこそ、分かり合えること、許し合えることもあるんだから。それに、お互いを求め合えるって、健康な証拠よ！」

陽子は、力強く美佐子の手を握った。その言葉に、美佐子は救われたような気持ちになった。

健一が寝室から戻ってきた。

「美佐子、まだ起きていたのか。寒くなってきたぞ。」

健一は、美佐子の傍にそっと腰を下ろした。そして、その細い腕に、そっと手を伸ばした。

「健一さん。」

美佐子は、健一の手を握り返した。その手は、少し皺が寄っているけれど、温かくて、力強い。長年、この手と共に生きてきた。喜びも、悲しみも、この手と共に分かち合ってきた。

「なんだか、眠れないんだ。」

健一が、ぽつりと呟いた。

「私も、です。」

美佐子は、微笑んだ。言葉はなくても、二人の間には、通じ合うものがあった。それは、熟年夫婦にだけ許される、特別なコミュニケーションだった。

「陽子さんと、さっき電話で話していたの。」

美佐子は、思い切って切り出した。

「陽子さん？ ああ、例の、噂の奥さんか。」

健一は、少し面白そうに笑った。陽子とその夫は、友人たちの中でも、少しばかり「アクティブ」だと噂されていたからだ。

「もう、健一さん！ でもね、陽子さんが言うには、年を重ねても、お互いを求めることは、大切なことだって。」

「ふむ。そうか。それは、彼女らしい考え方だな。」

健一は、美佐子の肩にそっと頭を寄せた。その温もりが、美佐子の心を優しく包み込む。

「私たちも、あの田中さん夫婦みたいに、毎日…」

美佐子は、また、隣の田中さん宅に思いを馳せた。

「毎日、か。どうだろうな。でも、私だって、美佐子を求めているよ。」

健一は、美佐子の髪を優しく撫でながら言った。その声には、若々しい響きがあった。

「健一さんも、ですか？」

美佐子は、顔を上げ、健一の目を見つめた。その瞳の奥に、変わらぬ愛情と、そして…

「当たり前じゃないか。美佐子、君がいないと、私は何もできない。」

健一は、そう言って、美佐子の顔を覗き込んだ。

「そんなこと、ないですよ。」

美佐子は、微笑んだ。でも、その言葉の裏には、自分もまた、健一を求めているという、静かな決意があった。

「お互いに、求め合えるって、幸せなことなんだね。」

美佐子は、健一の胸に顔を埋めた。

「ああ、そうだ。長年連れ添った君だからこそ、分かるんだ。君の、あの…」

健一は、言葉を探すように、少し黙り込んだ。

「あの、何ですか？」

「あの、独特の、匂いが、好きなんだ。君の、あの、肌の、温もりも。」

健一の言葉に、美佐子は、思わず笑ってしまった。それは、若々しい言葉ではなかったけれど、紛れもない、健一からの愛情の証だった。

「健一さんも、私の、あの…」

「あの、何だ？ 私の、あの…」

二人は、顔を見合わせ、くすくすと笑い始めた。その笑い声は、リビングに響き渡り、暖かく、満ち足りた空気を生み出した。

「ふふ、もう、健一さんったら。」

「君こそ、美佐子。」

健一は、美佐子の顔を優しく持ち上げ、ゆっくりと唇を寄せた。それは、甘く、それでいて、力強い、熟年の愛のキスだった。

「お父さん、もう寝ましょう。」

美佐子は、健一の手を引いた。

「ああ、そうだな。もう、寝ようか。」

健一は、美佐子の手を、しっかりと握り返した。

寝室へと向かう二人の背中は、若い頃のような勢いはない。でも、その歩みは、穏やかで、確かなものであった。そして、その背中には、数十年という歳月が刻んだ、深くて温かい絆が、静かに灯っていた。

夜の帳が降りる頃、田中さん宅の明かりも、静かに消えた。そして、その静寂の中に、彼らもまた、誰にも知られることのない、熟年の灯火を、静かに燃やしているのかもしれない。

それは、激しい炎ではない。しかし、確かな暖かさを持ち、決して消えることのない、熟年の愛の灯火。美佐子と健一は、そんな灯火を、これからも二人で大切に灯し続けていくのだろう。そして、その灯火が、静かに、けれど力強く、彼らの人生を照らし続けていくのだ。

（了）