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■ 桜咲く夜の、禁断の交差点

暖簾をくぐると、そこは賑やかな喧騒と食欲をそそる香りが渦巻く異空間だった。古びた木のカウンター、壁に並ぶ無数の提灯、そして何より、心地よい笑い声。そんな居酒屋「酔いどれ桜」に、今夜は三人組がやってきた。

「いやー、今日も忙しかったねー。一条さん、この前のプロジェクト、マジで助かりましたよ！」

高橋は、ジョッキを掲げながら、満面の笑みで言った。彼は入社二年目の、元気だけが取り柄の若手営業マンだ。隣で、一条は静かに頷いた。一条は、この部署では珍しい、物静かで知的な雰囲気を持つ先輩だ。そして、もう一人。

「まあ、忙しいのはいつものことだけど。でも、高橋君が意欲的に取り組んでくれたおかげで、予定より早く進んだのは事実だよ。」

一条の声は低く落ち着いていて、聞いているだけで心が安らぐような響きがあった。そして、もう一人。

「二人とも、あんまり仕事の話ばかりしないでよ。せっかくの飲みニケーションなんだから、もっとリラックスしないと。」

そう言ったのは、ひときわ華やかなオーラを放つ、企画部のリーダー、佐藤だった。彼女は、この三人組の中では最年長で、いつも場の空気を和ませるムードメーカーだ。

「すみません、佐藤さん。つい、熱くなっちゃって。」高橋は照れくさそうに笑った。

「でも、一条さんがいてくれると、心強いですよね。どんな難しい仕事も、一条さんがいると乗り越えられる気がするんです。」高橋は、一条に熱い視線を送った。

一条は、その視線に少し照れたように、鼻の奥で笑った。「そんな、大げさな。君たちの頑張りがあってこそだよ。」

佐藤は、そんな二人のやり取りを微笑ましく見守りながら、ビールを一口飲んだ。「それにしても、この店の雰囲気、落ち着くわよね。なんか、都会の喧騒を忘れさせてくれる。」

「本当ですね！この焼き鳥も最高だし、日本酒も種類豊富だし。一条さん、よくこんなお店知ってますね。」

「まあ、色々と。」一条は、いつものように含みのある笑みを浮かべた。

会話は、仕事のことからプライベートな話題へと移っていった。高橋は、最近気になる女性の話をし、佐藤は、昔の恋バナで盛り上がった。一条は、そんな二人の話に相槌を打ちながら、静かに日本酒を傾けていた。

しかし、場の空気が急速に変化したのは、高橋が唐揚げを口に運んだ時だった。

「うわ、この唐揚げ、ジューシーで美味い！ビールが止まらんなー！」

高橋は、豪快にビールを煽った。その瞬間、彼の顔色が少し変わった。そして、小さく「うっ」と呻き声を漏らした。

「どうしたの、高橋君？お腹でも痛い？」佐藤が心配そうに声をかけた。

「いや、あの、それが…」高橋は、顔を赤らめ、股間をさりげなく抑えようとした。しかし、それはあまりにも不自然な動きだった。

一条は、その様子を鋭く察知した。彼の視線が、高橋の隠そうとする仕草へと向けられた。そして、一条の顔にも、微かな変化が訪れた。

「…高橋君、まさか。」佐藤も、高橋の異様な様子に気づき始めた。

高橋は、もう誤魔化しきれないと悟った。彼は、顔を真っ赤にして、震える声で言った。「あの…すみません。なんか、急に…。い、いけないことなんですけど…」

一条は、高橋の言葉を遮るように、静かに口を開いた。「大丈夫だよ、高橋君。」

その声には、先ほどまでの落ち着いた響きとは違う、どこか煽るような、そして、優しさにも似た響きがあった。

「え…？」高橋は、一条の言葉に戸惑った。

「無理もないさ。この店の雰囲気、そして、君が一生懸命頑張った証拠だ。」一条は、高橋の目を見つめながら、ゆっくりと言葉を続けた。

佐藤は、二人のやり取りを、半ば呆然と、半ば興味津々に見ていた。彼女は、この状況が何を意味するのか、瞬時に理解していた。

「一条さん…」高橋は、一条の顔を見つめ、その瞳の奥に宿る色に、吸い寄せられるように見えた。

「さあ、高橋君。そろそろ、お酒より、もっと熱いものが欲しくなったんじゃないか？」一条は、妖艶な笑みを浮かべた。

「え…あの…」高橋は、さらに顔を赤くした。

「頼むよ、两条さん…。」高橋は、絞り出すような声で言った。

「お部屋、予約してあるから。」一条は、こともなげに言った。

佐藤は、その言葉に、思わず息を飲んだ。彼女は、この二人の間に流れる、禁断の空気を肌で感じていた。

「まさか、ここで…。」佐藤は、自分の思考に驚いた。

「大丈夫。誰も見ていない。」一条は、佐藤にも視線を向け、意味深に微笑んだ。

「え、でも…」高橋は、まだ戸惑いを隠せない。

「大丈夫だよ。君の分まで、俺が楽しませてあげる。」一条は、高橋の肩に手を置いた。その手は、温かく、そして、力強かった。

「ほら、佐藤さん。僕も、君の熱い夜を、手伝ってあげようか？」一条は、佐藤に視線を移し、挑発的に微笑んだ。

佐藤は、一瞬、言葉を失った。しかし、彼女の瞳には、好奇心と、そして、抑えきれない興奮の色が宿っていた。

「…ふふ。」佐藤は、小さく笑った。「一条さん、あなたは本当に、人を惹きつけるのが上手いのね。」

「君も、だよ。」一条は、佐藤の頬に、そっと指先で触れた。

「では、お部屋へどうぞ。」一条は、高橋と佐藤を促した。

三人は、居酒屋の賑やかな喧騒を後に、静かな廊下へと歩き出した。暖簾の向こうで、まだ賑やかに笑い声が響いている。しかし、彼らの心の中は、もう、別次元へと誘われていた。

「しかし、一条さん、まさか、こんな展開になるとは…。」高橋は、まだ興奮冷めやらぬ様子で言った。

「人生、何が起こるか分からないものだよ。特に、お酒が入るとね。」一条は、優しく高橋の頭を撫でた。

「でも、一条さん、その…、お部屋で…、本当に、大丈夫なんですよね？」高橋は、恥ずかしそうに尋ねた。

「大丈夫。君が望むなら、俺が、全部満たしてあげる。」一条は、高橋の目を見つめ、真剣な表情で言った。

佐藤は、そんな二人のやり取りを、遠くから見守るように、微笑んでいた。彼女の胸の中にも、言葉にできない高揚感が広がっていた。

「一条さん、あなたって、一体、何者なの？」佐藤は、心の中で呟いた。

「さあ、高橋君。まずは、一杯、追加のドリンクでも頼むかい？それとも…」一条は、意味深な笑みを浮かべた。

「いや、あの、ドリンクは、もう、いいです。」高橋は、顔を真っ赤にして、答えた。

「そうか。では、君の、本当の欲求に、応えよう。」一条は、高橋の腰に手を回した。

「え…！」高橋は、一条の突然の行動に、驚きの声を上げた。

「ほら、佐藤さん。君も、遠慮はいらないよ。」一条は、佐藤にも視線を向けた。

佐藤は、その視線に、逆らうことができなかった。彼女は、自然と、一条の隣に歩み寄った。

「ふふ、一条さん。あなたは、本当に、罪な人ね。」佐藤は、微笑んだ。

「罪？いや、これは、天からの授かりものだよ。」一条は、優しく佐藤の髪に触れた。

「さあ、行こうか。俺たちの、熱い夜を、始めよう。」一条は、高橋と佐藤を、二人で部屋へと導いた。

部屋のドアが閉まり、賑やかな居酒屋の喧騒が遠ざかった。そこには、三人だけの、静かで、そして、熱い時間が流れていた。

「生チンポ追加オーダー入ります（笑）」

佐藤は、心の中で、そう呟いた。それは、彼女の、禁断の夜の、始まりの合図だった。