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■ 薔薇の棘

月明かりが、薄暗い倉庫の床に無数の影を落としていた。埃っぽい空気と、鉄錆の匂いが鼻腔をくすぐる。そんな空間に、二つの影が絡み合っていた。一人は、精悍な顔立ちに傷跡のある男。もう一人は、漆黒の髪を振り乱し、血走った瞳で男を見下ろす美女。

「ふふ…どうしたの、雄猫ちゃん？ もう終わり？」

美女の声は、嘲るように響いた。男は、彼女の言葉に歯を食いしばる。彼女の美貌は、まるで妖しい薔薇のよう。だが、その艶やかな花弁の下には、鋭い棘が隠されていることを、男は今、身をもって知らされていた。

「くそっ…！ まだだ…！」

男は最後の力を振り絞り、彼女を振り払おうとする。しかし、美女はそれを許さない。彼女は力強く男の腹に膝を立て、その巨体をまるで獲物のように押さえつけた。

「あら、まだ諦めないの？ その細い腕で、私をどうしようって言うのかしら？」

美女は男の首筋に顔を埋め、耳元で囁く。その吐息が、男の肌を熱く焦がした。抵抗しようとする男の手に、彼女の指が絡みつく。細く、しなやかな指。しかし、その力は鋼のように強く、男の自由を奪う。

「そのまま…動かないで？」

美女の声は、甘く、そして冷たい。彼女は男の顔を両手で捉え、無理やり仰向けにさせる。男の視界に映るのは、自分を見下ろす美女の、妖しい輝きを放つ瞳だけ。

「綺麗でしょ？ 私の薔薇は。」

彼女はそう言うと、男の顔をぐっと引き寄せた。男は、抗う術もなく、彼女の唇を受け止める。それは、甘く、そして容赦ないキスだった。彼女の舌が、男の口内を蹂躙する。男は、抵抗しようとすればするほど、彼女の力に呑み込まれていく。

「ふふ…そんなに嫌そうな顔しないで。まだ始まってさえいないのに。」

美女は、男の唇を離すと、意味深な笑みを浮かべた。そして、男の服に手をかける。

「この美しい薔薇には、棘があるのよ。」

彼女は、男の服を無造尽に引き剥がしていく。布が裂ける音が、静寂を破る。男は、抵抗することもできず、ただ彼女のなすがままに、その身体を晒していく。

「わぁ…本当に綺麗。こんなに美しいのに、どうしてそんなに怯えているのかしら？」

美女は、男の裸体をじっくりと見つめる。その瞳には、欲望と、それ以上の残忍な愉悦が宿っていた。

「そんなに逃げたいなら…もっと強く、私を掴んでみせて？」

彼女は、男の股間に手を伸ばす。男は、その手つきに、全身を硬直させる。

「嫌…！」

男は、絞り出すような声を上げた。しかし、美女はそれを無視する。彼女は、男の硬く漲るモノを、その細い指で握りしめた。

「きゃっ…！」

男の喉から、思わず悲鳴が漏れる。美女は、その悲鳴を愉しむかのように、さらに力を込めた。

「ふふ…そんなに敏感なのね。じゃあ、もっともっと…痛い思いさせてあげる。」

彼女は、男のモノを弄びながら、激しく腰を動かし始めた。男は、彼女の巧みな手つきに、理性の糸が切れそうになる。

「あ…あぁ…！」

男の喘ぎ声が、倉庫に響き渡る。美女は、男の反応を楽しみながら、さらに挑発的な動きを続けた。

「もっと、私を求めて？ この綺麗な薔薇を、あなたも欲しいんでしょ？」

彼女は、男の顔を覗き込み、挑発するように微笑む。男は、彼女の言葉に、抗いがたい衝動に駆られた。

「やめ…ろ…！」

男は、必死に抵抗しようとする。しかし、美女はそんな男を嘲笑うかのように、さらに激しく、男のモノを弄び続けた。

「あら、そんなに抵抗するなんて、可愛い。でも…もう遅いのよ。」

美女は、男のモノを握ったまま、男の身体をさらに押さえつけた。男は、彼女の重みに耐えきれず、床に倒れ込む。

「くっ…！」

男は、息も絶え絶えに、彼女を見上げる。美女は、満足そうに微笑むと、男の顔に手を伸ばした。

「さあ…私の薔薇の棘を、存分に味わうがいいわ。」

彼女の言葉と共に、男の身体を、激しい痛みが襲う。それは、物理的な痛みだけではなく、精神的な屈辱感でもあった。男は、この美女に、完全に支配されてしまったことを悟った。

「あ…あぁ…！」

男の絶叫が、暗闇に吸い込まれていった。美女は、そんな男の姿を、冷たい目で見つめていた。彼女の瞳に映るのは、ただ、薔薇の花びらのように艶やかな、そして棘のある、自分自身の姿だけだった。