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■ 秘められた蜜、解き放たれる夜

真夏の太陽が容赦なく照りつける午後、私はいつものように、都心の一角にある「癒しの時間」という名のメンズエステサロンにいた。私の名前は美咲。32歳、二児の母。結婚して10年、夫は仕事に忙しく、家庭を顧みる余裕もない。そんな夫との関係も、どこか冷え切ってしまっていた。このサロンで働くようになったのは、経済的な理由もあるけれど、何よりも、日々の生活で失われつつあった「女性」としての自分を取り戻したかったからだ。

「癒しの時間」は、会員制の高級サロンで、エロ行為は一切禁止。あくまで、心と体のリラクゼーションに特化した、健全なエステティックサロンである。私も、そんなポリシーに共感し、セラピストとして真摯に仕事に取り組んできた。お客様は、多忙なビジネスマンや、都会の喧騒に疲れた人々。彼らの緊張を和らげ、心身のバランスを取り戻す手助けをすることが、私の使命だった。

しかし、この日、私の日常に波紋が広がる予感がしていた。予約リストに、見慣れない名前があった。「Mr.K」。プロフィールには、著名な実業家とだけ記載されている。いつもと変わらぬ穏やかな気持ちで、私は施術室へと向かった。

ドアを開けると、そこにいたのは、想像していたよりもずっと若い、しかし、どこか人を惹きつけるオーラを纏った男性だった。細身のスーツに身を包み、端正な顔立ち。だが、その瞳の奥には、底知れぬ欲望の色が宿っているように見えた。

「こんにちは、美咲さん。予約させていただきました、Mr.Kです。」

彼の声は低く、心地よい響きを持っていた。私はいつものように、丁寧な挨拶を交わし、カウンセリングシートの記入を促した。しかし、彼の視線は、常に私の顔を捉えて離さない。その視線に、私はかすかな違和感を覚えた。

施術は、オイルマッサージから始まった。滑らかなオイルが肌を滑り、筋肉の緊張がゆっくりと解けていく。彼は、目を閉じて、心地よさそうに息を漏らしていた。私は、自分の指先に意識を集中させ、丁寧に施術を進める。

「…気持ちいいですね。美咲さんの手は、魔法みたいだ。」

施術の途中、彼は唐突にそう呟いた。その言葉に、私は微かに顔を赤らめた。褒められるのは嬉しいが、彼の瞳に宿る光が、単なる感謝以上の何かを示唆しているように感じられたからだ。

「ありがとうございます。お客様にリラックスしていただけるのが、私の喜びです。」

私は平静を装い、そう返した。しかし、彼の指先が、私の腕を撫でるように触れた時、私の心臓は、予期せぬ鼓動を刻み始めた。それは、危険な香りを孕んだ、甘い誘惑の始まりだった。

施術が進むにつれ、彼の身体は、徐々に私へと寄り添ってくるようになった。背中に回された腕は、私の腰を優しく、しかし、確かな力で抱きしめた。サロンのルールでは、お客様との過度な接触は厳禁だ。私は、彼の腕をそっと外そうとした。

「…もう少し、このままでいさせてください。あなたの温もりが、私を安心させるんです。」

彼の声は、懇願するように、そして、どこか切なそうに響いた。私は、彼の訴えに、一瞬、迷いを見せた。疲れているのだろうか？それとも、何か深い悩みを抱えているのだろうか？その優しさに、私は自分の心の壁を少しだけ低くしてしまった。

しかし、次の瞬間、私の身体は硬直した。彼の手が、私のブラウスの隙間から、忍び込むように滑り込んできたのだ。冷たい空気が肌を撫で、同時に、熱い熱が内側から込み上げてくるのを感じた。

「Mr.Kさん…！これは…」

私の言葉は、彼の指先が、私の乳房へと辿り着いた瞬間、途切れた。弾力のある、柔らかい感触。彼は、ゆっくりと、しかし、確かな手つきで、私の胸を愛撫し始めた。

「…ダメです…！やめてください…！」

私は必死に抵抗しようとした。しかし、私の身体は、まるで意思を持たないかのように、彼の力に抗うことができなかった。それどころか、彼の指先の刺激に、私の身体は、徐々に、抗いがたい快感に支配され始めていた。

「…あ…っ…！」

思わず、喘ぎ声が漏れた。サロンに響き渡る自分の声に、私は羞恥と、それ以上の、未知の興奮を感じていた。彼の顔は、私の肩に埋められ、その吐息が、私の首筋を熱く撫でていく。

「…貴女は、本当に美しい…。」

彼の囁きは、甘く、そして、危険な誘惑に満ちていた。私の抵抗は、もはや弱々しく、彼の指先の動きに、私の身体は、ただ、身を任せるしかなかった。

「…あぁ…ん…っ…！」

私の胸は、彼の手に翻弄され、身体の奥底から、熱い熱が波のように押し寄せてくる。サロンの静寂を破る、私の喘ぎ声。それは、私自身も知らない、女性としての本能が、解き放たれる音だった。

その時、私の下半身に、確かな感触があった。彼のズボンの硬い感触。そして、その中に、熱を帯びた、紛れもない「それ」が、私の身体へと、ゆっくりと、しかし、確実に、押し寄せてくるのを感じた。

「…え…！？…うそ…！」

私の瞳は、恐怖と、それ以上の、驚愕に、見開かれた。それは、彼が、私のズボンの内側へと、その「それ」を、挿入しようとしている、という、信じられない現実だった。

「…Mr.Kさん…！い、いや…！本当に、ダメなんです…！」

私は、悲鳴に近い声を上げた。しかし、彼の目は、既に、激しい欲望に燃え上がっていた。私の抵抗も虚しく、彼の「それ」は、私の内側へと、ゆっくりと、しかし、奥深くへと、挿入されていった。

「…あ…ああああ…っ！！」

身体全体を貫く、衝撃的な感覚。それは、痛みではなく、前代未聞の、激しい快感だった。私の身体は、完全に、彼の「それ」に、支配されていた。

「…ん…んん…っ…！」

彼は、私の腰を掴み、その「それ」を、まるで、私を繋ぎ止めるかのように、激しく、上下させた。彼の動きに合わせて、私の身体は、激しく波打ち、熱い潮が、何度も、何度も、私を襲う。

「…あぁ…っ…！だ…め…！もう…！」

私の声は、快感に溺れ、もはや、意味をなさない。彼は、私の耳元で、荒い息遣いを繰り返し、その「それ」を、さらに深く、私へと、差し込んでくる。

「…美咲さん…！貴女の…声…！最高だ…！」

彼の声は、乱れ、熱を帯びていた。私の身体は、彼の激しい動きに、完全に、身を任せるしかなかった。

「…あ…あぁ…っ！！」

そして、ついに、私の身体は、限界を超えた。全身を駆け巡る、激しい震え。それは、私自身も、ここまで激しい快感を経験したことがない、強烈な「アクメ」だった。私の身体は、彼の「それ」の中で、熱く、溶けていくようだった。

「…あ…あぁ…っ…！」

彼の身体も、大きく震え、そして、私の中に、熱いものが、流れ込んでくるのを感じた。それは、私の中の、最後の理性を、打ち砕く、圧倒的な感覚だった。

「…中出し…なんて…！」

私は、呆然とした。しかし、その呆然さよりも、全身を駆け巡る、満ち足りた、そして、どこか不安な余韻が、私を包み込んでいた。

施術が終わった後、彼は、いつものように、穏やかな顔で、私に感謝の言葉を述べ、サロンを後にした。残されたのは、熱を帯びた私の身体と、部屋に残る、微かな彼の香りだけだった。

私は、鏡に映る自分を見た。いつもと変わらない、一人の人妻の顔。しかし、その瞳の奥には、先ほどまでの出来事が、生々しく刻み込まれていた。

「…私…どうしちゃったんだろう…。」

サロンのルールを破ってしまったことへの罪悪感。しかし、それ以上に、私自身の身体が、あの激しい快感に、抗えなかったという、事実。それは、私自身の、隠された欲望の、一面でもあったのかもしれない。

この夜、私は、禁断の蜜に、堕ちてしまった。それは、抗いがたい快楽の、始まりだったのか、それとも、私自身の、新たな覚醒の、始まりだったのか。真夏の夜は、まだ、始まったばかりだった。