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■ 叔母さんの秘密

敬太は、長年憧れ続けていた叔母の沙季に会いに、彼女の自宅を訪れた。都会の喧騒を離れた、緑豊かな郊外にある一軒家。インターホンを鳴らすと、まもなくドアが開いた。そこに立っていたのは、写真でしか見たことのない、しかし画面越しでも溢れ出る色香を放っていた沙季だった。

「あら、敬太！ よく来たわね！」

沙季は満面の笑みで敬太を招き入れた。その声には、親愛と少しの驚きが混じっているように聞こえた。敬太は、期待と緊張で高鳴る胸を抑えながら、彼女に倣って笑顔で挨拶を交わす。

「叔母さん、お久しぶりです。わざわざお出迎えいただいてすみません。」

しかし、その言葉を発した瞬間、敬太の視線は、沙季の胸元に釘付けになった。彼女は、ゆったりとしたワンピースを着ていたのだが、その胸元は、驚くほど大胆に開いていたのだ。そして、その下にあるはずのものが、敬太の想像とは全く違う光景を呈していた。

（…え？ 叔母さんって、家ではノーブラなんだ…？）

敬太は、脳裏に浮かんだ言葉に、思わず息を呑んだ。写真で見る沙季は、いつも上品で、どこかミステリアスな雰囲気を纏っていた。しかし、目の前の沙季は、もっと、もっと生々しい。ワンピースの布地越しに、その動きに合わせて豊かに揺れる巨乳の存在が、まざかながらに伝わってくる。

敬太は、必死に平静を装おうとした。しかし、視線は抗いがたく、沙季の胸元に吸い寄せられる。ワンピースの薄い生地は、彼女の体のラインを惜しげもなく露わにしていた。そして、その中には、敬太の想像を遥かに超える「秘密」が隠されていることに、彼はすぐに気づかされた。

（…乳首、見える…？）

動くたびに、ワンピースの胸元がわずかに広がり、その奥に、予想外にもはっきりと、乳首の存在が確認できる。その位置、その形状、全てが一目瞭然だった。それは、敬太がこれまで抱いていた「叔母さん」というイメージとは、あまりにもかけ離れた、刺激的な光景だった。

「どうしたの、敬太？ 顔色が悪いわよ。」

沙季は、敬太の異変に気づいたのか、心配そうに顔を覗き込んできた。その仕草もまた、敬太の心をかき乱す。彼女の顔は、肌理細かく、艶やかで、敬太が想像していたよりもずっと若々しく見えた。

「い、いえ、なんでもないです。ちょっと、長旅で疲れただけかもしれません。」

敬太は、なんとか言葉を繋いだ。心臓が早鐘のように打ち、額にはじっとりと汗が滲む。叔母に会いに来たはずなのに、なぜか自分が、おかしな方向へと惹きつけられている。

「あら、そう。なら、お茶でも淹れるわね。ちょっと待ってて。」

沙季は、そう言ってキッチンへと向かった。その背中を見送りながら、敬太は、ようやく自分の置かれている状況を理解し始めた。叔母さんの、あの無防備さ。それは、親戚としての、甥としての、甘えからくるものなのか、それとも…？

キッチンから聞こえてくる、食器の触れ合う音。そして、時折漏れる沙季の歌声。それは、敬太をさらに混乱させた。彼女の魅力は、外見だけではなかった。その声、その仕草、全てが、敬太の心の奥底に眠っていた何かを呼び覚ますかのようだった。

「お待たせ。どうぞ。」

沙季は、湯気の立つマグカップを敬太の前に置いた。その手は、細く、そして滑らかだ。敬太は、震える手でマグカップを受け取ろうとした。その時、沙季がふと、体を傾けた。

「あ、ごめん。ちょっと、こぼしちゃった。」

沙季は、ワンピースの胸元にわずかにこぼれたお茶を、ハンカチで拭おうとした。そして、その動作の瞬間、敬太の視線は再び、あの「秘密」に吸い寄せられた。

あまりにも無防備な胸のポッチが、目の前にあった。

それは、ただの乳首ではなかった。それは、敬太の心を乱し、理性を麻痺させる、禁断の果実のようだった。ワンピースの薄い生地は、まるでそれを隠そうとしないかのように、わずかに張り付いている。

敬太は、もう、自分を抑えられそうになかった。

「叔母さん…。」

思わず、名前を呼んだ。その声は、自分でも驚くほど、掠れていた。

沙季は、訝しげな表情で敬太を見上げた。

「どうしたの、敬太？ また顔色が悪いわよ。」

その顔には、一切の邪念はなかった。ただ、甥への純粋な心配だけがあった。それが、敬太の心に、さらなる罪悪感と、そして、抗いがたい衝動を掻き立てた。

（ダメだ…こんな叔母さんに、こんな風に思ってしまうなんて…。）

しかし、目の前にある現実は、敬太の理性を凌駕していく。沙季の、あの無防備な胸。それを、この手で触れてみたい。その柔らかさを、その温かさを、確かめたい。

敬太は、震える指先を、ゆっくりと沙季の胸元へと伸ばそうとした。その指先が、ワンピースの生地に触れる寸前、沙季がふと、顔を上げた。

「敬太？ 何か、用？」

その澄んだ瞳が、敬太の顔をまっすぐに見つめていた。その瞳には、一切の疑念も、警戒もなかった。ただ、純粋な、甥への愛情だけがあった。

敬太は、自分の指先が、一体何をしようとしていたのかを、はっきりと認識した。それは、叔母に対する、絶対にあってはならない、冒涜的な衝動だった。

「…いえ、なんでもないです。…やっぱり、少し、疲れてたみたいです。」

敬太は、必死に言葉を濁した。そして、震える手を、ぎゅっと握りしめた。

沙季は、まだ少し心配そうに敬太を見つめていたが、やがて、ふと、微笑んだ。

「そう。なら、少し休みなさい。部屋、用意してあるから。」

その笑顔は、いつもと変わらず、温かく、優しかった。しかし、敬太の心には、その優しささえも、罪悪感と、さらなる欲望の炎を燃え上がらせる燃料となってしまっていた。

（俺は、一体、どうなってしまうんだ…？）

敬太は、沙季が用意してくれた部屋へと向かいながら、自らの心を深く見つめ直した。憧れは、いつの間にか、別の感情へと変貌していた。それは、決して口にしてはならない、禁断の感情だった。

その夜、敬太は、眠りにつくことができなかった。窓の外には、月明かりが静かに降り注いでいた。そして、その光は、遠く離れたキッチンから漏れる、淡い灯りを照らし出していた。

（叔母さん…。）

その名前を、心の中で静かに呟く。そして、自分の中に芽生えてしまった、この醜い感情を、どうすれば良いのか、敬太は、まだ知らなかった。