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## 汗の匂い、そして背徳感

夏の陽射しがアスファルトを焦がす午後。私は、普段なら決して足を踏み入れないような、静かな住宅街の一角にあった。目的は、ごく個人的な、そして少しばかり大胆な「収集」のため。

それは、ある「趣味」に目覚めてしまったからだ。きっかけは、偶然見かけてしまった、近所のスーパーで買い物をしていた女性。彼女は、子供の学校指定の体操服と、その中に着ていた、おそらくは体育の授業で使うであろう、白いレオタード姿だった。汗ばんだ肌に張り付いた布地、そして何よりも、普段は隠されているはずの身体のラインが、そのレオタード越しに露わになっていた。

「人妻ってだけでもエロいのに、学販レオタ着用というギャップがさらにエロさを際立たせる！」

その時、私の頭の中に響いたのは、インターネットで見た、ある熱狂的な書き込みだった。最初は理解できなかったその言葉が、あの女性の姿を見た瞬間に、鮮烈な意味を帯びて私に飛び込んできたのだ。

あの女性は、おそらくは子供の母親。家庭を持ち、夫がいる。そんな、一般的には「大人」で「落ち着いた」存在であるはずの彼女が、子供たちのための、体操服の下に忍ばせた、あのピタッとしたレオタード。そこには、日常のベールに隠された、もう一つの「顔」があった。あるいは、意図せずして露呈してしまった、普段とは違う一面。それが、私の心に、抗いがたい魅力を放っていた。

それ以来、私の目は、街行く「人妻」に、そして「学販レオタード」に、無意識のうちに引き寄せられるようになった。そして、その「収集」は、次第にエスカレートしていった。

今回のターゲットは、この住宅街に住む、Aさん。噂によれば、彼女は最近、子供がスポーツクラブに通い始めたらしく、その関係で、学販レオタードを頻繁に着用しているという。幸いなことに、彼女の夫は仕事で遅く、子供も習い事が多いらしい。チャンスは、今夜だった。

私は、中古品店で仕入れた、それと分からないような、しかし高性能なビデオカメラを手に、Aさんの家の裏手に忍び込んだ。茂みに身を隠し、息を潜める。心臓は、早鐘のように打っていた。これは、単なる覗き見ではない。これは、私にとっての「芸術」。そして、それは決して誰かに見せるためのものではない、個人的な「収集」なのだ。

しばらくすると、家の中から明かりが漏れ、Aさんの姿が窓越しに見えた。彼女は、子供の体操服を畳んでいるようだった。そして、その作業の合間に、ふと、胸元を抑える仕草をする。そこには、彼女が着ていたであろう、白いレオタードの、ほんのわずかな「痕跡」が見て取れた。

私の指先が、カメラの録画ボタンをそっと押した。

「（…来た…）」

私は、喉の奥で、歓喜にも似た声を抑えた。Aさんは、子供の部屋から、何かを取り出すために、リビングを横切った。その時、彼女の足元に、薄い、しかし明確な「線」が見えた。それは、レオタードの裾が、体操服の隙間から僅かに覗いた、白い部分だった。

「（…ああ…）」

言葉にならない、痺れるような感覚が全身を駆け巡る。彼女は、それを全く気にする様子もなく、自然に、日常の動作を続けている。その「無邪気さ」と、その「隠されたエロティシズム」のコントラストが、私を激しく掻き立てた。

私は、カメラのズーム機能を少しずつ上げていった。Aさんの肌は、夏の暑さで、ほんのりと火照っているように見えた。汗が、首筋を伝っている。そして、その肌に張り付いた体操服の生地が、彼女の身体の曲線を描き出している。

「（…あの…レオタード…）」

私の思考は、完全にAさんが身に纏っているであろう、あの白いレオタードへと集中していた。それは、子供用の、しかし、身体のラインを強調する、伸縮性の高い素材でできているはずだ。その、本来は「活動」のためだけに存在するものが、Aさんのような「大人」の女性の身体に纏われることで、これほどまでに官能的な意味合いを帯びるとは。

彼女は、子供の体操服を片付け終えたのか、キッチンへと向かった。冷蔵庫を開け、冷たい水を一杯飲む。その仕草一つ一つが、私にとっては、貴重な「観察対象」だった。水滴が、彼女の喉仏のあたりを滑り落ちる。その瞬間、私の想像力は、さらに加速する。

「（…あの白い布が…あの肌に…）」

私は、想像した。Aさんが、あのレオタードを身につけて、汗を流している姿を。子供たちのために、一生懸命に汗を流す、母親としての姿。しかし、その「母性」の奥底に、隠された「女性」としての側面が、あのレオタードによって、ほんの少しだけ、垣間見える。

それは、決して露骨なものではない。むしろ、その「控えめさ」が、私の想像力を掻き立てるのだ。体操服という、日常的で、子供らしい装いの下に隠された、もう一つの「衣装」。それは、まるで、秘密の宝箱のようだ。

「（…もっと…見たい…）」

私の欲求は、次第に強まっていった。ただ、映像を収めるだけでは、もう満足できなくなってきた。私は、この「収集」を、さらに一歩進めることを決意した。

数日後、私は、Aさんの家の近所の、小さな公園で、彼女に偶然を装って話しかける機会を得た。子供が遊んでいる隙間を狙って、私は、彼女に話しかけた。

「あの、すみません。もしかして、〇〇小学校に通わせてらっしゃいますか？」

Aさんは、少し驚いた顔で私を見た。

「はい、うちの子も通っていますよ。どなたか、ご存知の方ですか？」

私は、用意していた、ありきたりな「共通の話題」を繰り出した。子供の学校のこと、習い事のこと。会話は、自然に進んでいった。そして、私は、慎重に、しかし確実に、核心に近づいていった。

「最近、うちの子も、運動系の習い事を始めたんです。その関係で、体操服とか、色々揃えるのに大変で。〇〇さんのお宅でも、お子さんの体操服、もう揃えられましたか？」

Aさんは、少し困ったように笑った。

「ええ、なんとか。でも、最近、体操服の下に着せるのに、何か体操服専門店で売ってるような、スポーツ用のレオタードがあるらしいんですよ。うちの子、それに興味があるみたいで。」

私の心臓が、再び高鳴った。

「へえ、そうなんですね。スポーツ用のレオタードですか。どんな感じなんだろう。子供が着るものって、結構、大人っぽいデザインのものもあるんですね。」

私は、あえて「大人っぽいデザイン」という言葉を付け加えた。それは、私の「趣味」を、遠回しに、しかし確実に、Aさんに伝えるための、小さな罠だった。

Aさんは、少し照れたように続けた。

「そうなんです。うちの子、まだ小さいのに、なんだかそういうものに興味があって。私も、ちょっと見てみたんですけど、意外と身体のラインが綺麗に見えるんですよね。子供が着るのが、なんだか不思議な感じもするんですけど。」

「（…来た…）」

私は、心の中でガッツポーズをした。彼女自身も、その「ギャップ」に、少なからず意識を巡らせている。それは、私の「収集」に、さらなる深みを与えてくれるだろう。

「そうなんですね。私、あまりそういうことに詳しくないんですけど、なんだか興味が出てきました。もしよろしければ、今度、どんなものが売ってるか、一緒に見に行きませんか？子供が一緒でも、怪しいおばさんたちみたいにならないで済むかなって。」

私は、精一杯、無邪気な笑顔を繕った。Aさんは、少し戸惑った様子だったが、私の熱意に、次第に心を許してくれたようだった。

「そうですね…でも、私、あまりそういうことに詳しくないんですけど…」

「大丈夫です！私も、全くなので、一緒に勉強しましょう！それに、子供たちも仲良くなれるかもしれませんし。」

結局、Aさんは、私の誘いに応じてくれた。そして、数日後、私たちは、子供たちを連れて、近所のショッピングモールにある、スポーツ用品店へと向かった。

店内には、様々なスポーツウェアが並んでいた。そして、その一角に、子供用のレオタードが陳列されていた。それは、私の想像以上に、多種多様なデザインのものがあった。色とりどりのもの、レースがあしらわれたもの、そして、Aさんが言っていたような、身体のラインを強調する、シンプルな白いもの。

私は、Aさんの隣で、子供たちの様子を伺いながら、彼女の反応を観察していた。Aさんは、真剣な眼差しで、レオタードを眺めていた。そして、ふと、ある一枚の白いレオタードに手を伸ばした。

「これ…なんか、うちの子が学校で使ってるのと、似てるかも。」

彼女が手に取ったのは、紛れもない、学販の白いレオタードだった。それは、子供用でありながら、そのデザインは、驚くほどシンプルで、そして、身体のラインを際立たせるように作られていた。

「（…ああ…これだ…）」

私の心は、歓喜と、ほんの少しの背徳感で満たされていた。目の前にあるのは、私の「趣味」の極致。子供が着るはずの、しかし、大人の女性が身につけることで、まったく別の意味合いを帯びる、あの「学販レオタード」。

Aさんは、そのレオタードを手に、子供に話しかけた。

「ほら、これ。学校で使うの、これなんだよ。どう？似合うかな？」

子供が、無邪気に「うん！」と答える。そして、Aさんは、そのレオタードを、そっと、自分の胸に当ててみた。その瞬間、彼女の顔に、微かな、しかし、確かな「興奮」の色が浮かんだのを、私は見逃さなかった。

「（…見えた…）」

その一瞬の表情の変化が、私にとっては何よりも価値のある「収穫」だった。それは、彼女自身も、あのレオタードに、ある種の「特別さ」を感じている証拠だった。日常の「母」という顔の下に、隠された、もう一つの「女性」としての自分。それを、あの学販レオタードが、そっと、しかし確実に、呼び覚ましているのだ。

私は、この日、Aさんの私物のレオタードを「収集」することはできなかった。しかし、それ以上に価値のあるものを手に入れた。それは、Aさん自身の、あのレオタードに対する「意識」だった。そして、その「意識」こそが、私の「趣味」を、より一層、深いものへと昇華させてくれたのだ。

家に帰り、私は、あの日のビデオカメラの映像を、何度も再生した。Aさんの、ふとした仕草。レオタードの裾が、体操服の隙間から覗いた、ほんのわずかな白。そして、スポーツ用品店で、彼女がレオタードを胸に当てた時の、あの微かな表情の変化。

「（…人妻ってだけでもエロいのに、学販レオタ着用というギャップがさらにエロさを際立たせる！）」

あの言葉が、今、私の頭の中で、鮮やかに響き渡っていた。それは、単なる欲望の吐露ではない。それは、日常のベールに隠された、女性の多面性への、そして、その隠された「エロティシズム」への、深く、そして、ある種、芸術的なまでの称賛なのだ。

私の「収集」は、まだ終わらない。これからも、私は、街の片隅で、あるいは、日常のふとした瞬間に、あの「ギャップ」を探し続けるだろう。そして、その「芸術」を、静かに、そして、熱狂的に、私の心の中に、刻み込んでいくのだ。