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## 温泉、そして adulterous な誘惑

旅行雑誌の片隅に、それはあった。色鮮やかな温泉風景の写真とともに、「温泉レポート体験者募集！」という文字が躍っていた。普段は専業主婦として、子供たちの学校行事や近所付き合いに追われる日々を送っていた私、優子にとって、それはまるで別世界からの招待状のように映った。

「体験？温泉レポート？面白そう！」

夫の健一は仕事で忙しく、最近は二人でゆっくり旅行に行くこともなくなっていた。子供たちも大きくなり、手がかからなくなってきた今、ほんの少しの息抜きが欲しいと思っていた。何気なく応募したその企画に、まさか自分が当選するとは夢にも思っていなかった。

数日後、封書が届いた。開けてみると、そこには「温泉レポート体験当選」の文字とともに、詳細な行程と集合場所が記されていた。参加費はもちろん無料。しかも、交通費まで負担してくれるという。あまりにも手厚い待遇に、かすかな不安を覚えつつも、それ以上に好奇心が勝っていた。

集合場所は、都内某所のホテルのラウンジだった。指定された時間に行ってみると、そこには私以外にも数人の女性がいた。皆、私と同じくらいの年代で、どこか華やかな雰囲気を持っている。そして、その中心にいたのは、いかにもエスコート上手といった風情の男性だった。

「皆さん、本日はようこそお越しくださいました。私は、今回の企画の担当を務めさせていただく、高橋と申します。」

高橋という男性は、流暢な口調で私たちに話しかけてきた。どうやら、この企画は、新しくオープンする温泉旅館の広報活動の一環らしい。私たちは、その旅館の魅力をレポートするために、実際に宿泊して体験するというのだ。

「もちろん、滞在費はもちろん、お食事や温泉もすべて無料です。さらに、皆さまには謝礼として、ささやかながらお礼もさせていただきます。」

高橋の説明は、ますます私たちを惹きつけていった。まるで、夢のような話だった。しかし、その裏には、後に私が足を踏み入れることになる、禁断の沼の入り口が隠されていた。

初日の夜は、旅館の宴会場で開かれた。豪華な料理と、高橋が用意したという地酒がテーブルに並べられた。高橋は、私たち一人ひとりに気を配りながら、巧みな話術で場を盛り上げた。女性たちは皆、普段の生活から解放されたかのように、楽しそうに笑い、お酒を酌み交わしていた。

私も、日頃の疲れを忘れ、久しぶりに心からリラックスしていた。夫の健一との会話も、最近は義務的になってしまっていた。「今日の夕食何がいい？」といった、当たり障りのないやり取りばかり。高橋の、私という人間そのものに興味を持っているかのような眼差しに、私は次第に心を開いていった。

「優子さん、お話を聞かせていただけますか？普段はどのようなお仕事をされているんですか？」

高橋は、私の夫が単身赴任で家を空けていること、そして私が専業主婦であることを知ると、興味深そうに頷いた。

「専業主婦ですか。それは素晴らしいですね。ご家族のために日々尽力されている。でも、せっかくの人生、もっとご自身の時間も大切にしたいと思いませんか？」

その言葉は、私の心の奥底に眠っていた、漠然とした不満を刺激した。子供たちが巣立ち、夫もそばにいない。私自身は、一体何のために生きているのだろうか。そんな虚無感が、ふとした瞬間に襲ってくることがあった。

宴もたけなわになり、お酒も回ってきた頃、高橋は私たちに提案をした。

「せっかくの機会ですし、今夜は少し、親睦を深めるために、特別なお部屋で二次会をしませんか？」

その「特別なお部屋」というのは、旅館の最上階にある、露天風呂付きのスイートルームだった。高橋は、そこにはさらに素晴らしいお酒と、気分を盛り上げるための「特別な仕掛け」を用意しているという。

女性たちの間で、ざわめきが起きた。「特別な仕掛けって何だろう？」という期待と、ほんの少しの不安が入り混じった空気が流れた。しかし、高橋の誘いを断れる雰囲気ではなかった。そして、私自身も、その「特別」という言葉に強く惹かれていた。

スイートルームに通された私たちは、高橋が用意したシャンパンで乾杯した。部屋には、心地よい音楽が流れ、窓の外には満点の星空が広がっていた。高橋は、私たちのために、さらに上質なお酒を用意してくれた。

そして、高橋は、ゆっくりと、しかし確実に、私たちの心の壁を壊していった。仕事の愚痴、夫への不満、日頃言えないような本音。私たちは、お酒の力を借りて、堰を切ったように語り始めた。高橋は、ただ黙って耳を傾け、時折、共感するような相槌を打ってくれた。

「優子さんも、ご主人とは最近、あまり会話がないんですか？」

高橋の問いに、私は無言で頷いた。その瞬間、高橋の指が、私の頬をそっと撫でた。その冷たい感触に、私はドキッとした。しかし、不思議なことに、嫌悪感はなかった。むしろ、それは、私が求めていた、温かい手のぬくもりを連想させた。

高橋は、私の耳元で囁いた。「あなたは、とても美しい人ですね。その美しさを、もっと解放してあげてください。」

その言葉に、私は身震いした。それは、夫から聞くことのない、甘く、そして危険な響きを持っていた。

高橋は、私たちの服のボタンを一つずつ外していった。それは、まるで儀式のように、ゆっくりと、そして官能的に行われた。女性たちは、抵抗するどころか、むしろそれを楽しんでいるかのようだった。普段は、夫の前でも、なかなか見せないような、大胆な仕草を見せる者もいた。

私の胸元に、高橋の手が触れた。その熱を帯びた感触に、私は息を飲んだ。専業主婦という、退屈な日常の中で、私は、自分自身の肉体が、こんなにも敏感に反応することを知らなかった。

高橋は、私だけでなく、他の女性たちの体にも、惜しげもなく触れていった。その指先は、まるで芸術品を愛でるかのように、私たちの肌をなぞった。そして、その熱は、次第に部屋全体に広がっていった。

「さあ、皆さん。今日は、自分を解放する日です。誰にも縛られず、ただ、快楽に身を委ねましょう。」

高橋の声は、まるで魔法の呪文のように、私たちの理性を奪っていった。そして、そこから繰り広げられたのは、まさしく adulterous な夜だった。普段は、夫の前でさえ、恥じらいながらしか見せないような、生々しい姿を、私たちは互いに見せ合った。

私の胸元に、溢れんばかりの乳房が、高橋の指によって、さらに大きく揺れ動かされた。その刺激に、私は思わず声を上げた。それは、普段なら決して出さないような、喘ぎ声だった。高橋は、その声を、より一層高めるかのように、さらに強く、私の乳房を揉みしだいた。

そして、高橋は、私だけでなく、他の女性たちにも、次々と快楽を与えていった。互いの体を求め合い、喘ぎ声を響かせ合う。そこには、罪悪感も、後悔も、何もなかった。ただ、純粋な、生々しい欲望だけがあった。

高橋の指が、私の内側へと、ゆっくりと侵入してきた。その異物感と、それに呼応するかのような、体の内側からの熱が、私をさらに興奮させた。それは、夫からの刺激とは全く違う、熟練した、そして大胆な刺激だった。

「もっと…もっと…」

私は、無意識のうちに、高橋に懇願していた。高橋は、私のその言葉に応えるかのように、さらに深く、そして激しく、私を愛撫した。そして、やがて、私の体は、激しい波に包まれた。

しかし、その快楽は、私一人だけのものではなかった。高橋は、次々と女性たちに、その「特別なサービス」を提供していった。そして、そこには、高橋だけではない、もう一人の男性の姿があった。

「皆さん、私の友人も、皆さんの美しさに魅了されております。彼にも、皆さんの魅力を存分に味わってもらいたいのですが、いかがでしょうか？」

高橋がそう言うと、もう一人の男性が姿を現した。彼は、高橋とはまた違った、ワイルドな魅力を持った男だった。そして、その男性もまた、私たち女性の体の、ありとあらゆる部分を、貪るように愛撫し始めた。

私の視界は、次第に blur していく。男性たちの熱い息遣い、女性たちの喘ぎ声、そして、体の中に満ちていく、異質な精子の感覚。それは、普段の私からは想像もできないような、淫らで、そして魅惑的な体験だった。

「専業主婦にしておくのはもったいない」という高橋の言葉が、私の頭の中で反響していた。確かに、私は、この退屈な日常の中で、自分自身の魅力を、十分に発揮できていなかったのかもしれない。

夜が明ける頃、私たちの体は、疲労と快楽で、ぐったりとしていた。しかし、その顔には、かすかな満足感と、そして、ほんの少しの虚無感が混じり合っていた。

高橋は、私たちに、感謝の言葉とともに、それぞれに謝礼を渡した。そして、私たちは、まるで何もなかったかのように、その場を後にした。

家に帰って、夫の健一の顔を見た時、私は、かすかな罪悪感を覚えた。しかし、それ以上に、私の心の中には、あの夜の記憶が、鮮烈に残っていた。それは、私に、自分自身の欲望と、そして、その欲望を満たすことの、危険な魅力を教えてくれた。

あの旅行雑誌の広告が、私の人生を、こんなにも大きく変えることになるなんて、誰が想像できただろうか。温泉レポートという甘い言葉に誘われて、私は、 adulterous な夜の、快楽という名の迷宮へと、足を踏み入れてしまったのだ。そして、その迷宮から、私が無事に抜け出せるのか、それとも、そのまま囚われてしまうのか、それは、まだ誰にも分からない。