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## 陽炎のベランダ

### 第一話：禁断の果実

梅雨の湿り気を帯びた風が、風間家のベランダに洗濯物と一緒に揺れていた。夫の健一が仕事で遅い夜、陽子はこの静寂を破る予期せぬ訪問者に戸惑っていた。ピンポンの音に促されドアを開けると、そこには近所の佐々木さんが立っていた。いつもは無愛想な表情の彼が、どこか落ち着かない様子で、しかし妙に期待に満ちた目で陽子を見つめている。

「あの、風間さん。ご迷惑をおかけして申し訳ないのですが…」佐々木さんは、一瞬言葉を詰まらせた後、指先でベランダの方を指した。「そちらに、奥さんの下着が落ちていたようでして。」

陽子は、心臓が跳ね上がるのを感じた。昨夜、慌てて取り込んだ記憶がある。まさか、そんなことが。

「えっ、そんな…」動揺を隠せないまま、陽子は佐々木さんの視線に導かれるようにベランダに目をやった。確かに、普段なら目につかないはずの、淡いピンク色のブラジャーが、物干し竿の端に引っかかっているのが見えた。

その瞬間、佐々木さんの様子がおかしくなった。彼の目が、陽子の顔から、そしてベランダの洗濯物へと、激しく揺れ動く。そして、陽子が言葉を返す間もなく、彼は突然、陽子に抱きついた。

「奥さんのこと、ずっと観察してたんだよ。」

耳元で囁かれた声は、震えていた。陽子は、その言葉の衝撃と、突然の肌の接触に、全身が硬直した。抵抗しようにも、佐々木さんの力は意外に強く、肩に回された腕が離れない。

「…や、やめてください！佐々木さん！」

必死に訴える陽子の声も、彼の耳には届いていないかのようだ。佐々木さんの手は、陽子のブラウスの中に忍び込もうとしていた。冷たい指先が、肌に触れる。陽子は、恐怖と屈辱で、身体が内側から燃え上がるような感覚に襲われた。

「お願い…」佐々木さんの喘ぎ声が、陽子の耳元で響く。そして、彼の指は、陽子が下着の中に着用していた、あの淡いピンク色のパンツに触れた。

「もう、辞めて下さい！」

陽子は、今にも泣き出しそうな声で叫んだ。しかし、佐々木さんの指は、その誘惑的な感触を確かめるように、ゆっくりと、しかし執拗に、下着の上から陽子のクリを弄び始めた。

「この…マン汁で染みたパンツの上から…」佐々木さんの吐息が、陽子の肌を撫でる。「…あぁ、最高だよ…」

陽子は、身体を捩った。しかし、佐々木さんの力は増すばかり。そして、その強引な刺激は、陽子の内に秘められた、抑えきれない衝動を呼び覚まし始めていた。

「この…おチンポ…」佐々木さんの声が、熱を帯びていく。「…入れたい！あーっ、気持ちイイー！最高！」

その言葉に、陽子の身体は、まるで意思を持ったかのように、微かに腰を動かした。理性は、必死に抵抗しようとしていた。しかし、欲望は、まるで津波のように、彼女の全身を呑み込んでいく。

「…あぁ…ダメ…」

陽子の声は、もはや抵抗の叫びではなく、喘ぎに変わっていた。彼女の腰は、佐々木さんの手の動きに合わせて、自然と、しかし熱を帯びて、動き出した。

「…っ！…あぁっ！」

陽子の口から漏れるのは、もはや理性的な言葉ではなかった。それは、本能のままに、抑えきれない歓喜と、そして、ほんの少しの罪悪感の入り混じった、原始的な叫びだった。

「…っ！…あぁっ！…最高…！」

彼女の身体は、まるで初めて快楽を知ったかのように、荒々しく、しかし悦びに満ちて、佐々木さんの手に呼応した。陽炎のように揺らめく欲望が、彼女の全身を包み込んでいた。

### 第二話：禁断の血

「姉さん！金、貸してくんないかな！」

リビングに響いた、義弟の拓也のけたたましい声に、陽子は眉をひそめた。昼下がりの静寂を破る、いつもの調子だ。

「また？拓也、あなた、この前も風俗に行ったばっかりでしょ？」

呆れて、陽子はため息をついた。結婚して一年。夫の連れ子である拓也とは、義理の親子のような関係だった。まだ二十歳そこそこの彼は、性欲旺盛で、自由奔放。しかし、その奔放さが、時として陽子を困惑させた。

「いや、それがさ、どうしても行きたい店があってさ。今回だけ、マジで頼むよ！」

拓也は、陽子の腕に甘えるようにしがみついた。その仕草には、一切の遠慮がなく、むしろ当然のこととして強請っているかのようだ。陽子は、その無邪気な（あるいは、計算された）甘えに、いつものように突き放すことができない自分に、少しだけ嫌悪感を覚えた。

「ダメよ。自分の稼ぎでやりなさい。」

しかし、今回はどうしても気分が乗らなかった。昨日、佐々木さんとの出来事が、まだ陽子の心に影を落としていたのだ。あの、背徳的な快楽の記憶が、拓也の軽率な誘惑とは異なる、もっと深い部分をざわつかせている。

「えー！姉さん、冷たいじゃん！」

拓也は、不満そうに唇を尖らせた。そして、陽子の様子を窺うように、じっと彼女の顔を見つめた。その瞳の奥に、何か別の意図が隠されているのを、陽子はまだ気づいていなかった。

「お願い！姉さんのマンコ、貸してくんないかな！その方が早いじゃん！」

突然、拓也は、陽子の顔を覗き込むようにして、とんでもない言葉を口にした。陽子の全身に、一瞬、冷たいものが走った。

「…な、何を馬鹿なことを言ってるの！」

陽子は、思わず声を荒げた。拓也の言葉は、あまりにも直接的で、あまりにも図々しい。しかし、その図々しさの中に、陽子は、拓也が本気でそう考えているかのような、ある種の真剣さを感じ取った。

「いや、だって、姉さん、男の人にモテるし、経験豊富でしょ？俺に教えてくれれば、俺だって将来有望な男になれるじゃん！」

拓也は、陽子の言葉を意に介さず、さらに踏み込んできた。彼の言葉は、陽子の心に、さらに深く、しかし不快な響きをもって突き刺さる。

「…もう、やめなさい！」

陽子は、必死に自分を落ち着かせようとした。しかし、拓也の真剣な、そしてどこか挑発的な眼差しが、陽子の理性という名の堤防を、じわじわと侵食していく。

「姉さん、生理前？なんか、顔赤いけど。」

拓也は、陽子の頬に触れようと手を伸ばした。その仕草は、まるで獲物を品定めするような、しかしどこか探るような、奇妙な熱を帯びていた。

「…だ、ダメ！」

陽子は、拓也の手を振り払った。しかし、その拒絶は、拓也にとって、むしろ「まだ手付かずの宝」と映ったのかもしれない。

「姉さん、俺、姉さんのこと、ずっと…」

拓也は、言葉を続けた。その言葉は、陽子の奥底に眠っていた、あの日の記憶を呼び覚ます。佐々木さんの、あの執拗な触れ方、あの熱い吐息。

「…っ！…あぁ…」

陽子の身体が、微かに震えた。拓也の言葉に、そして拓也の視線に、陽子の理性が、急速に崩壊していくのを感じた。

「…指も、入れて…掻き混ぜて…」

拓也の声は、陽子の耳元で、甘く、しかし命令するように響いた。陽子の身体は、その命令に、抗うことができなかった。

「…あー、ダメェ〜…姉さん、おかしくなっちゃう〜！」

陽子の口から漏れるのは、もはや抵抗の言葉ではなかった。それは、欲望に溺れる女の、悦びに歪んだ悲鳴だった。拓也の指が、陽子の下着の中に滑り込む。

「…あぁ…っ！…ダメ…！」

陽子は、失禁する寸前だった。拓也の指は、陽子のクリを、優しく、しかし執拗に弄び始めた。そして、その刺激は、陽子の理性を、完全に打ち砕いた。

「…っ！…あぁっ！…拓也…！」

一線を越えた。義弟である拓也と、陽子。二人の間には、もう、血の繋がりという名の壁は存在しなかった。ただ、本能だけが、二人を突き動かしていた。

「…姉さん…」

拓也の声は、熱に浮かされていた。陽子の身体は、拓也の腕の中で、まるで初めて悦びを知ったかのように、荒々しく、しかし貪欲に、彼に身を委ねていった。

「…あぁ…っ！…もっと…！」

陽炎のように揺らめく欲望が、二人の身体を、そして心を、熱く、熱く、包み込んでいった。それは、禁断の果実を味わう、激しい、そして背徳的な陶酔だった。