「奥様、ちょっとお邪魔しますよ」vol.2【無料エロ動画視聴/アダルトAV】

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■ 陽だまりの囁き

古びた団地の階段を上る足音は、いつもより少しだけ重かった。春の陽光が、埃っぽい窓ガラスを通して、薄暗い廊下にまだら模様を描いている。千尋は、いつもより早めに家事を済ませ、この時間を心待ちにしていた。今日、この団地の一室に集まるのは、彼女を含め、6人の人妻たち。年齢も、職業も、夫との関係も、それぞれに抱える事情も違う。ただ一つ、共通しているのは、彼女たちが「普通」という枠から、ほんの少し、いや、大きくはみ出した日常を送っているということだった。

「こんなことしながら言うのもなんだけど…私、良い妻なんです。」

千尋は、彼女の言葉を反芻した。それは、数週間前、初めてこの集まりに参加した時の、彼女の言葉だった。その満ち足りたような、それでいてどこか寂しげな響きが、千尋の胸に深く刻まれていた。

「良い妻」とは、一体なんだろう。家庭を守り、夫に尽くし、子供たちを健やかに育てる。世間が良しとする「良い妻」の姿は、千尋にも憧れがあった。しかし、日々の生活の中で、それは徐々に色褪せていく。夫は仕事にかまけ、子供たちは成長し、自分の世界は、次第に狭まっていく。そんな時、ふと、心の奥底から湧き上がる、抑えきれない衝動。それは、決して「妻」としての顔だけでは満たせない、もっと原始的で、もっと切実な願いだった。

「千尋さん、お待たせ！」

ドアが開く音と共に、明るい声が響く。現れたのは、いつも一番乗りで、皆を温かく迎えてくれる沙織だった。彼女は、団地に越してきてまだ新しいというのに、あっという間にこの「集まり」の中心人物となっていた。その柔らかな笑顔の裏に、どんな物語が隠されているのだろうかと、千尋はいつも想像していた。

「ごめんね、ちょっと迷ってしまって。」

「大丈夫よ！さあ、入って入って。みんなもう来てるから。」

沙織に促され、千尋は部屋へと足を踏み入れた。そこには、すでに数人の女性たちが、和やかな雰囲気で談笑していた。彼女たちもまた、「良い妻」の仮面を綺麗に装い、それぞれの家庭へと帰っていくのだろう。しかし、この昼下がりの数時間だけは、その仮面をそっと脱ぎ捨て、素顔で、本音で、語り合うことができるのだ。

今日集まったのは、千尋、沙織、そして、いつもクールで大人っぽい由紀、明るくおしゃべりな真由美、少し控えめだが芯の強さを感じさせる響子、そして、一番年下の、でもどこか色気のある愛莉だった。皆、夫には言えない秘密を抱え、この場所で、解放されていた。

「今日のテーマは、ぶっちゃけ『不倫体験談』だよ！」

真由美が、いつものように朗らかに切り出した。その言葉に、部屋の空気が一瞬、ピンと張り詰める。それは、決してタブー視されるべきことではなく、むしろ、この集まりの存在理由そのものだった。

「…私から話していい？」

由紀が、静かに口を開いた。彼女の落ち着いた声は、いつも皆を惹きつける。

「夫とは、もう何年も、夫婦としての営みがないの。お互いに、ただ、生活を共にするだけ。そんな時、偶然、SNSで知り合った男性と、連絡を取るようになった。最初は、ただの友達のつもりだったんだけど…」

由紀の言葉に、皆、息を呑んで聞き入る。彼女の体験談は、いつもどこか文学的で、情景が目に浮かぶようだった。

「初めて会った日、彼は私の手を握ってくれた。その温かさに、何年も忘れていた感覚が、蘇ったの。そして、そのまま…」

由紀は、そこで言葉を区切り、小さく息をついた。その表情は、切なさと、微かな悦びが入り混じっているように見えた。

「私も、実は…」

今度は、沙織が口を開いた。彼女の体験談は、由紀とはまた違った、もっと奔放で、情熱的なものだった。

「夫は、私を、女性として見てくれないんだよね。いつも、母親みたいだって言われる。でも、この前、公園で子供と遊んでたら、若い男の人に声をかけられて。最初は、ただのナンパかと思ったんだけど、話してみたら、すごく私のことを見てくれてるのが分かったの。その夜、思わず、彼のアパートに行っちゃった。」

沙織の言葉に、皆、顔を見合わせる。彼女の率直な言葉には、どこか救われるような、共感するような響きがあった。

千尋は、まだ自分の番ではなかった。彼女は、この集まりに参加するきっかけとなった、ある出来事を思い出していた。それは、夫との関係が冷え切っていたある日、衝動的に、昔の恋人に連絡を取ってしまったこと。そして、そこで体験した、背徳感と、それを上回るほどの、強烈な解放感。

「淫乱な人妻が集まるのが団地なのか、団地だから淫乱な人妻が集まるのか。」

誰かが、そんなことを言っていた。彼女たちが、この古びた団地という、どこか閉鎖的で、しかし、どこか温かい場所を選んだのは、偶然ではないのかもしれない。それぞれが抱える、満たされない欲求。それを、静かに、しかし確かに、満たし合える場所。

「背徳感って、すごく刺激的だよね。」

真由美が、ニヤリと笑って言った。その言葉に、千尋は、彼女の隠された顔を見た気がした。

「でも、罪悪感も、もちろんある。」

響子が、静かに付け加えた。彼女の言葉には、経験に裏打ちされた、重みがあった。

「そう、罪悪感。でも、その罪悪感があるからこそ、この瞬間が、より甘く、より際立つのかもしれない。」

愛莉が、少し挑発的な笑みを浮かべて言った。彼女の若さゆえの、大胆な発言に、皆、目を丸くする。

「悦情、ね。」

由紀が、静かに呟いた。その言葉には、彼女が体験した、深い悦びと、それゆえの苦悩が、凝縮されているように感じられた。

千尋は、自分の番が来たことを悟った。彼女は、深呼吸をし、ゆっくりと語り始めた。夫への不満、子供たちの成長、そして、抑えきれなくなった、自分の中の「欲望」。彼女の体験談は、他の人たちとは少し違った。それは、特定の誰かとの関係というより、むしろ、自分自身との対話、そして、失われた自分を取り戻すための、冒険のようなものだった。

「初めて、夫以外の男性と、触れ合った時…怖かった。でも、それ以上に、自分が、まだこんなにも、生きていたんだって、実感したの。」

千尋の言葉は、静かだったが、力強かった。彼女の体験は、決して「淫乱」という言葉だけで片付けられるものではない、もっと複雑で、切実なものだった。

部屋の中は、静寂に包まれた。しかし、それは気まずい沈黙ではなかった。互いの言葉に、共感し、励まし合い、そして、理解し合っている、静かな連帯感のようなものが、そこにはあった。

「みんな、ありがとう。こうして、話を聞いてもらえて、本当に嬉しい。」

沙織が、涙ぐみながら言った。彼女の言葉に、皆、頷いた。

「また、来月も、集まりましょうね。」

由紀が、穏やかに提案した。その言葉に、皆、笑顔で応じた。

団地の階段を下りる千尋の足取りは、行きとは違って、軽やかだった。春の陽光は、もう午後遅くの、柔らかな光になっていた。彼女は、この「秘密の集まり」が、自分にとって、どれほど大切な場所になっているかを実感していた。

「良い妻」という仮面の下に隠された、それぞれの「欲望」と「情熱」。そして、それを静かに、しかし確かに、満たし合える、この団地の部屋。そこは、彼女たちにとって、日常から解放され、自分自身を取り戻せる、唯一の場所だったのかもしれない。

陽だまりの中で交わされる、秘密の囁き。それは、決して世間が良しとするものではないかもしれない。しかし、彼女たちにとっては、紛れもない、生きた証であり、そして、明日へと歩き出すための、力となっていた。千尋は、ふと、空を見上げた。青い空に、白い雲がゆっくりと流れていく。この、何気ない日常の中に、彼女たちは、自分たちの、ささやかな「悦情」を見つけていた。