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■ 5年目の花火

初めて君に会ったのは、ソウルの賑やかな明洞（ミョンドン）の片隅にあった小さなカフェだった。2019年の夏、私は日本から一人で旅行に来ていて、慣れない韓国語でメニューを指差していた。君は、そのカフェでアルバイトをしていた。まだあどけなさが残る顔立ち、少し緊張した面持ちで、私の拙い韓国語に笑顔で応じてくれた。あの時の君は、まるで瑞々しい桃のようだった。

「アンニョンハセヨ…」

君の声は、少し震えていた。私も緊張していたけれど、君の純粋な瞳に吸い寄せられるように、言葉を続けた。

「あの、これ…」

指差したメニューを、君は丁寧に説明してくれた。君の日本語は、まだ片言だったけれど、一生懸命伝えようとする姿が愛おしかった。その日から、私は毎日のようにそのカフェに通った。君と話すのが楽しくて、君の日本語が少しずつ上達していくのが嬉しくて。

数日後、君は勇気を振り絞るように、私に話しかけてきた。

「あの…もしよろしければ、今日、仕事の後、少しお時間ありますか？」

その言葉に、私の心臓は高鳴った。君からの誘い。まさか、こんな展開になるなんて。その夜、私たちは夜景の見える漢江（ハンガン）沿いを歩いた。君は、私の手にそっと触れ、そして、ぎこちないながらもキスをしてくれた。あの夜の星空は、今でも鮮明に覚えている。君の初めてのキス。あの時の君の、羞じらいと期待が入り混じった瞳を、私は一生忘れないだろう。

それから、私たちは毎月のように会うようになった。東京、ソウル、時には第三国で。君は、初めて会った頃の、あのウブな少女の面影を残しながらも、少しずつ、でも確実に変わっていった。

初めての夜。君は、まだ経験が浅いということを、正直に話してくれた。その真摯な姿勢に、私はますます惹かれた。そして、初めての夜は、お互いにとって、少しぎこちなく、でも温かいものになった。君の、初めての経験への戸惑いと、私を信じて身を委ねてくれる純粋さが、私を優しく包み込んだ。

それから、5年。

君は、私に会うたびに、日本語も、そして、その、何というか…「夜の営み」も、どんどん上手になっていった。最初は、少し恥ずかしそうに、私の顔色を伺いながらだった君が、今では、大胆に、そして、私をリードすることさえある。

「オッパ、もっと…」

君の甘えるような声。そして、それを裏付けるように、君の指先が、私の肌をなぞる。その変化に、私はもう、完全に心を奪われている。君の日本語は、今ではネイティブと変わらないほど流暢になり、私の心をくすぐるような言葉を、魔法のように紡ぎ出す。そして、その言葉に導かれるように、君は、私に、初めて会った頃の面影からは想像もできないような、熱く、官能的な表情を見せるようになった。

「この前、ドラマで見たんだ。こういう風に…」

そう言って、君が提案してくる新しいテクニック。最初は戸惑いながらも、君の情熱に触発され、私も次第に夢中になっていく。君の、新しい経験への好奇心と、それを私にぶつけてくる無邪気さ。それが、私を、この5年間、ずっと君に夢中にさせてきた理由なのだろう。

今夜も、君は、私の部屋にいる。窓の外には、東京の夜景が広がっている。君は、いつもと少し違う、深紅のシルクのランジェリーを纏っていた。それが、君の官能的な魅力を、さらに際立たせている。

「オッパ、今日の私、どう？」

君は、小悪魔のように微笑みながら、私に近づいてくる。その瞳には、あの頃の瑞々しさと、今はもう、大胆な色気が宿っている。

「…綺麗だよ」

私は、君の首筋に顔を埋める。君の肌から漂う、甘い香りが、私の理性を溶かしていく。

「もっと、見たい？」

君の声が、私の耳元で囁く。その声の響きに、私の身体は、もう、君の望むままに反応してしまう。

「…ああ」

君の指が、私のシャツのボタンに触れる。一つ、また一つと外されていくボタン。そして、君の熱い視線が、私の肌を焼き尽くす。

「5年前の、あんなにウブだった君が、こんなに…」

私は、君の頬に手を添える。君の肌は、熱かった。

「5年前の、君も好きだった。でも、今の君も、もっと、好きだ」

君は、私の言葉に、満足そうに微笑む。そして、私の唇に、そっとキスを落とした。それは、まるで、5年間の想いが、今、一気に解き放たれたような、情熱的なキスだった。

君の舌が、私の口内を辿る。その繊細で、しかし、大胆な動きに、私の心臓は、激しく鼓動する。君は、今夜、どんな「エロい君」を見せてくれるのだろうか。

君が、初めて私にキスをしてくれた夜、私は、君の純粋さと、秘めた情熱に心を奪われた。それから5年。君は、その秘めた情熱を、私だけに見せてくれるようになった。君の成長は、私にとって、何よりも嬉しい驚きであり、そして、刺激だった。

君の細い指が、私の胸元を撫でる。その指先から伝わる熱に、私は、もう、抗うことができない。

「オッパ、今日の私、どう？」

君は、もう一度、私に問いかける。その声には、確信と、そして、更なる期待が込められている。

「…最高だよ」

私は、君の腰に手を回し、強く引き寄せる。君の身体が、私の身体に触れる。その熱が、私を、さらに恍惚へと誘う。

「今度は、どんな、エロい君を、見せてくれるんだ？」

私の問いかけに、君は、妖艶な笑みを浮かべる。そして、君の唇が、私の耳元で囁いた。

「それは、オッパが、私を、どうしたいか、次第だよ」

その言葉に、私は、もう、何も考えられなかった。ただ、君の、熱く、官能的な声と、君の身体から放たれる、抗いがたい魅惑に、身を委ねるだけだった。

今夜は、どんな夜になるのだろうか。5年目の、この花火のような夜に、私は、君との、更なる「エロい」未来を、期待していた。君の、あらゆる表情、あらゆる仕草、あらゆる声。その全てが、私を、この5年間、ずっと虜にし続けているのだから。