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■ 監禁された少女

夕闇が迫る薄暗い部屋。床に転がるのは、使い古された毛布と、空のペットボトル。そして、そこに座り込む一人の少女、ミカ。彼女の肩は震え、瞳には恐怖と絶望が混じっていた。

「また、あの動画…」

ミカは、震える手でスマートフォンの画面を指先でなぞった。そこには、数年前に自分が友達とふざけて投稿した、恥ずかしい動画が映し出されていた。制服姿でふざけ、くだらない歌を歌う自分。幼い頃の無邪気さが、今の自分には遠い昔のことのように感じられた。

「なんで、なんでこんなことに…」

ミカは、顔を覆い、嗚咽を漏らした。彼女は、ただの普通の学生だった。しかし、ある日を境に、彼女の人生は暗闇へと突き落とされた。きっかけは、ネット上に残された、ほんの些細な黒歴史動画だった。

その動画を、ある男が見つけてしまったのだ。男の名は、ケンジ。年齢不詳、素性不明。ネットの片隅で、裏アカウントをいくつも持ち、人々の闇を覗き見ては、それを餌に楽しむ、クズニートだった。

ケンジは、ミカの動画を見つけると、彼女の「可愛らしさ」に目をつけた。そして、その無邪気な姿を、歪んだ欲望の目で弄ぶようになった。彼は、ミカのSNSを徹底的に調べ上げ、彼女の日常、友人関係、家族構成、そして、過去の恥ずかしい動画まで、全てを把握した。

「よし、ターゲット発見。可愛らしいねぇ、こいつ」

ケンジは、ニヤリと笑い、新たな裏アカウントを作成した。そこから、ミカへの嫌がらせが始まった。最初は、匿名での誹謗中傷。しかし、それだけでは飽き足らず、次第にエスカレートしていく。

「お前の黒歴史、全部知ってるぞ」

「明日の授業、先生にチクってやろうか？」

「お前の友達、あの時あんなことしてたよな？顔真っ赤にしてたよ？」

ケンジは、ミカの恐怖心を煽り、精神的に追い詰めていった。ミカは、次第に学校に行くのも怖くなり、友人との連絡も避けるようになった。次第に、彼女は孤立し、闇の中に沈んでいった。

ある日、ケンジはミカにDMを送った。

「今から、お前の家に忍び込む。抵抗したら、お前の全部をネットに晒してやる」

ミカは、恐怖で体が震えた。しかし、断る選択肢はなかった。ケンジは、ミカの自宅の鍵の情報をどこからか入手し、夜中に彼女の部屋に忍び込んだ。

「やっと会えたね、可愛いミカちゃん」

ケンジは、歪んだ笑みを浮かべ、ミカに近づいた。ミカは、恐怖で声も出せず、ただ震えるだけだった。

「お前、動画で見るよりずっと可愛いな。もっと弄んであげたい」

ケンジは、ミカの顔を鷲掴みにし、無理やりキスをした。ミカは、抵抗しようとしたが、ケンジの力には敵わなかった。

「や、やめて…」

ミカの細い声は、ケンジには届かなかった。彼は、ミカの首を締め付け、彼女の恐怖に歪む顔を見て、快感に浸っていた。

「あぁ、この顔…たまらない。可哀想な女の子、大好きだよ」

ケンジは、ミカの顔をスマートフォンで撮影し始めた。それは、彼女の黒歴史動画とはまた違う、新たな裏動画となるはずだった。

「これで、お前は俺だけのものだ。誰にも渡さない」

ケンジは、ミカを部屋の隅に押しやり、彼女の服を乱暴に剥ぎ取った。ミカは、絶望の淵に立たされていた。

「助けて…誰か、助けて…」

しかし、彼女の声は、厚い壁に阻まれ、外に届くことはなかった。ケンジは、ミカの体を弄びながら、ニヤニヤと笑っていた。

「お前みたいな、可哀想な女の子を弄ぶのが、俺の趣味なんだよ」

ミカの瞳から、光が消えていく。彼女は、このままケンジの餌食になり、一生、闇の中に囚われるのだろうか。

部屋には、ミカのすすり泣きと、ケンジの歪んだ笑い声だけが響いていた。

数日後、ミカの部屋から異臭がするという通報があり、警察が駆けつけた。部屋は荒れ果て、ミカは衰弱しきった状態で発見された。ケンジの姿は、どこにもなかった。

ミカは、入院し、心身の治療を受けることになった。しかし、彼女の心に刻まれた傷は、あまりにも深かった。彼女は、二度と明るさを取り戻すことはできなかった。

一方、ケンジは、逃亡を続けていた。彼の目的は、新たな「可哀想な女の子」を見つけ出し、彼女を弄ぶことだった。インターネットの片隅で、彼は今日も、人々の闇を覗き込んでいる。

「目をつけられたら、一生の終わりだ」

ミカの運命は、そんな言葉を、皮肉にも現実のものとして証明してしまった。彼女は、ただの学生だった。しかし、ネットに残した黒歴史動画という「弱点」を、クソニートに握られたことで、彼女の人生は、最悪の結末を迎えたのだ。

この世には、まだ知られざる闇が、数多く潜んでいる。そして、その闇は、時に、無邪気な少女の人生を、容赦なく奪い去っていくのだ。