IMPULSES～性衝動に抗えないオンナたち～【無料エロ動画視聴/アダルトAV】

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■ 衝動の夜

湿ったアスファルトに街灯の明かりが滲む。梅雨時の東京は、夜になっても蒸し暑さが残っていた。タクシーの車内は、狭い空間に充満するエアコンの冷気と、運転手のタバコと汗の匂いが混じり合って、妙にむせ返るような空気が漂っていた。

「…で、どこまで？」

運転手の野暮ったい声が、ラジオの低音のBGMを掻き消すように響いた。後部座席に座る私の隣には、見知らぬ女が一人。互いに肩を寄せ合うように座っていた。相乗りタクシー。本来は節約のため。しかし、今夜はなんだか、この密室が奇妙な引力を帯びているように感じていた。

「えっと、渋谷までお願いできますか？」

私が答えると、隣の女も「私もです」と小さな声で続いた。運転手は無言で頷き、アクセルを踏み込んだ。

隣の女は、私より少し年下だろうか。黒髪のボブカットが、肩のあたりで揺れている。薄いブルーのワンピースは、体のラインを綺麗に見せていた。彼女の隣に座るという行為は、私にとって未知の領域だった。普段、私は他人とこんなにも近く、密着して座ることなどない。

「あの…」

意を決して私が話しかけると、彼女は少し驚いたようにこちらを見た。その瞳は、夜の街のネオンを映して、キラキラと輝いている。

「はい？」

「…暑いですよね、やっぱり」

そんな他愛もない言葉だった。それでも、彼女は小さく微笑んだ。

「そうですね。エアコン、効いてますけど…」

彼女の声は、耳に心地よく響いた。彼女も、私と同じように、この状況に戸惑っているのかもしれない。それとも、私には想像もつかないような、別の感情を抱いているのだろうか。

「私、田中といいます」

「…私は、佐藤です」

名前を名乗り、私たちはさらに沈黙した。しかし、その沈黙は、先ほどまでの気まずいものではなく、ほんの少しだけ、互いの存在を意識し合うような、そんな空気に変わっていた。

タクシーは、雨に濡れた街を縫うように進んでいく。信号で止まるたびに、隣の女の体温が、じわりと私の肌に伝わってくる。それは、不快なものではなかった。むしろ、どこか安心するような、温かい感触だった。

「あの…、もしよかったら、どこかで一杯どうですか？」

突然、自分がそう言ったことに、自分でも驚いた。衝動。それは、いつも私の日常を静かに侵食している、見えない波のようなものだった。理性では抑えきれない、抗いがたい力。

彼女は、少しの間、私の顔を見つめた。その真剣な眼差しに、私は少しだけ気圧された。

「…はい。いいですよ」

彼女は、そう答えた。その声は、先ほどよりも少しだけ、甘く響いた。

渋谷の雑踏を抜け、私たちは路地裏にある、隠れ家のようなバーに入った。薄暗い照明、ジャズの流れる店内。そこは、都会の喧騒を忘れさせてくれる、静かで落ち着いた空間だった。

「何を飲みますか？」

「うーん…、スコッチのソーダ割りがいいかな」

私は、バーテンダーにそう告げた。隣の彼女は、メニューを眺めながら、少し迷った表情をしていた。

「私は…、ウォッカトニックにしようかな」

私たちは、向かい合って座った。テーブルの上に置かれた、二つのグラス。そこから立ち昇る、酒の香りが、私たちの間に流れる空気を、さらに濃密にしていく。

「佐藤さんって、普段、どういうお仕事をされてるんですか？」

彼女が、まず口を開いた。

「私は、デザイン関係の仕事です。佐藤って、苗字、よくあるでしょう？ だから、あまり覚えてもらえないんですけどね」

私は、苦笑しながら答えた。

「田中さんこそ、どんなお仕事を？」

「私は、…、フリーのライターをしています」

彼女は、そう答えた。その言葉には、どこか秘密めいた響きがあった。

私たちは、お互いの仕事のこと、趣味のこと、そして、誰にも言えないような、小さな悩みや願望について、語り合った。言葉を交わすうちに、私たちは、互いの心の奥底にある、孤独や満たされない思いに、共感し合っていることに気づいた。

「私、最近、彼氏と別れたんです」

彼女が、突然、そう告げた。その声は、少しだけ震えていた。

「そうですか…」

私は、何も言えなかった。ただ、静かに彼女の話を聞いた。彼女は、彼氏に浮気されたこと、そして、その時の自分の無力感について、ぽつりぽつりと語った。

「…なんだか、私、自分自身が、とても満たされていないような気がするんです」

彼女の言葉は、私の胸に深く突き刺さった。私も、同じような、いや、もっと深い孤独を感じていた。理性では、そんな自分を否定しようとする。けれど、心の奥底では、その孤独を、誰かと分かち合いたいと願っていた。

「…わかる気がします」

私は、ようやくそう絞り出した。

「私、最近、なんだか、自分自身が、どうでもよくなってしまって…」

彼女の言葉は、まるで私の心の叫びだった。

「衝動に、突き動かされたい、って、思ったこともあるんです」

彼女が、そう続けた時、私の心臓は、ドクンと大きく脈打った。衝動。それは、私の中に潜む、もう一つの自分。理性では、決して触れることのできない、原始的な欲求。

「…私も、です」

私は、そう答えるのが精一杯だった。

バーの店員が、私たちのテーブルに、新しいお酒を運んできた。カクテルのグラスには、鮮やかな色が揺れている。その色は、まるで、私たちの秘めたる欲望の色のように見えた。

私たちは、互いの目をじっと見つめ合った。言葉は、もう必要なかった。この空間には、私たち二人の間に流れる、熱っぽい空気だけがあった。

「…あの、もし、よかったら…」

彼女が、私の手を、そっと握った。その手は、想像以上に、冷たかった。

「…はい」

私は、ただ、そう答えた。

その夜、私たちは、互いの孤独を、そして、抑えきれない衝動を、静かに、そして激しく、溶かし合った。それは、社会のルールや理性では、決して許されない行為なのかもしれない。けれど、その瞬間、私たちは、自分自身を、これまで以上に、強く、そして鮮やかに感じていた。

夜が明ける頃、私たちは、互いの顔を見つめながら、静かに微笑んだ。それは、後悔でも、罪悪感でもない。ただ、満たされた、という、静かな満足感の証だった。

「…ありがとうございました」

彼女は、そう言って、私の手を、ゆっくりと離した。

「こちらこそ」

私も、そう答えた。

私たちは、名残惜しそうに、顔を見合わせた。そして、まるで、秘密の約束を交わすかのように、互いに頷き合った。

「また、会えますか？」

彼女が、そう尋ねた。その声には、かすかな期待が混じっていた。

「…ええ、きっと」

私は、そう答えた。

駅に向かう道すがら、私は、昨夜の出来事を反芻していた。性欲。それは、人間の根源的欲求の一つ。しかし、それは、決して、男女の間だけで交わされるものではない。時には、偶然の出会いや、心の隙間から、静かに、しかし確実に、私たちの心を揺さぶる。

そして、その衝動に、抗うことなく、身を任せた時。私たちは、自分自身を、最も深く、そして最も鮮やかに、理解することができるのかもしれない。

湿ったアスファルトに、朝の光が差し込み始めていた。私は、昨夜の出来事を、胸の中にそっとしまい込み、新しい一日へと、歩き出した。それは、満たされた、という、静かな余韻を、胸に抱きながら。