美麗熟女 美智子さん（61歳）【無料エロ動画視聴/アダルトAV】

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■ 潮騒の残響

美智子は、築三十年ほどの、海辺の小さな一戸建てに越してきた。子供たちはそれぞれ巣立ち、夫の健一も定年退職した。これからの人生は、夫婦二人、静かに、穏やかに過ごそう。そんな漠然とした希望を抱いての、この場所への移住だった。

しかし、現実は彼女の期待とは少し違っていた。健一は、退職後、まるで解放されたかのように、趣味に没頭した。週に何度も釣りに出かけ、時には一泊二日で帰宅しないこともあった。あるいは、街をぶらぶらと散歩するのだと言って、午前中から外出してしまう。美智子が「どこか一緒に行こうかしら？」と誘っても、「いや、俺はちょっと用事があるから」と、いつも断られた。

たまに家にいると思えば、健一はどこか上の空だった。テレビを見ているか、新聞を読んでいるか。そして、夜、寝室で、健一は自分勝手だった。美智子の気配や感情を察することなく、ただ衝動的に求めてくる。それは、もはや夫婦の営みというよりは、一方的な要求に近かった。美智子は、その度に虚しさと、かすかな怒りを抱えながら、ただ身を任せるしかなかった。

「私、ここにきて、一体何をしてるんだろう…」

そんな日々が、いつしか美智子の日常となっていた。

ある雨の日。外は、しとしとと、しかし容赦なく雨が降り続いていた。美智子は、雨音を聞きながら、ぼんやりと窓の外を眺めていた。部屋の隅に、じわりと染み出した雨漏りの跡が、不快な影を落としている。

「はぁ…」

ため息をついた、その時だった。玄関のチャイムが鳴った。

「どなたかしら？」

美智子は、少し驚きながらも、ドアを開けた。そこに立っていたのは、この家を貸してくれている大家の、五十代後半くらいの男だった。丸眼鏡の奥の目は、穏やかな光を宿していた。

「こんにちは、奥さん。雨、ひどいですね。ちょっと、雨漏りの様子を見にきたんです。大丈夫でしたか？」

大家は、にこやかにそう言った。

「あら、こんにちは。ええ、少し…」

美智子は、雨漏りの場所を指差しながら、説明した。久しぶりに、健一以外の男性と、こうしてゆっくり話している。そのことに、美智子は少しだけ、胸が高鳴るのを感じた。

大家は、雨漏りの箇所を丁寧に確認し、どこから水が染み込んでいるのか、どうすれば良いのかを、真剣に考えてくれた。その誠実な態度に、美智子は安心感を覚えた。

「いやぁ、これはちょっと、早めに修理しないとまずいですね。でも、大丈夫ですよ。俺の知り合いに、腕の良い大工さんがいるんです。すぐに手配しましょう」

大家は、そう言って、またにこやかに笑った。その笑顔は、美智子の心に、温かい光を灯すようだった。

「ありがとうございます。助かります」

美智子は、心からそう言った。

「いや、とんでもない。大家ですから、当然のことですよ」

大家は、そう言いながら、美智子の顔をじっと見つめた。その視線に、美智子は少し戸惑った。いつもの、穏やかな大家さんの視線では、なかった。

「ところで、奥さん。一人で、寂しくないですか？」

大家は、突然、そんなことを尋ねた。

「え…」

美智子は、息を呑んだ。その言葉に、胸の奥底にしまっていた、孤独が、するりと顔を出したような気がした。

「夫は…、あまり家にいないもので…」

言葉が、自然と零れ落ちた。

「そうですか…」

大家は、静かに頷いた。その沈黙が、部屋に重くのしかかった。雨音だけが、響いている。

「あの…、お茶でもいかがですか？」

美智子は、自分でも驚くほど、流暢にそう言っていた。大家に、自分の弱さを見透かされたことが、何故か、安堵感にも似た感情をもたらしていた。

「ええ、ありがたいです」

大家は、快く応じた。

美智子は、キッチンで、お茶を淹れた。健一は、釣りの道具の手入れで、部屋の隅に散らかっていた。その光景を思い出し、ため息が漏れる。

リビングに戻ると、大家は、窓の外の雨を眺めていた。

「この辺りは、夏になると、海がきれいで賑わうんでしょうね」

大家は、そう言って、美智子を見た。

「ええ、そうみたいです。でも、まだ、あまり実感はなくて…」

美智子は、お茶を差し出した。大家は、受け取ると、ゆっくりと口をつけた。

「奥さん、もしかして、退屈してますか？」

大家は、また、核心を突くような質問をした。

「…そう、かもしれません」

美智子は、正直に答えた。

「無理もないですよ。広くて、静かな家で、一人でいるのは、寂しいでしょう」

大家は、そう言って、美智子に近づいた。その距離が、急速に縮まったような気がした。

「あの…」

美智子が、何か言おうとした、その時。大家は、美智子の手を、そっと握った。

「奥さん、綺麗ですね」

大家は、囁くように言った。

美智子の心臓が、激しく鼓動した。これは、いけないことだ。わかっていた。でも、その温かい手と、優しい声に、美智子は、抗うことができなかった。

大家の指が、美智子の指を、ゆっくりと絡めてきた。その感触に、美智子は、背筋に戦慄が走るのを感じた。

「私…」

美智子は、自分の意思とは無関係に、震える声で、そう呟いた。

大家は、美智子の顔に、そっと手を伸ばした。その指先が、美智子の頬に触れた。ひんやりとした、雨の冷たさとは違う、温かい感触。

「奥さん…」

大家の顔が、どんどん近づいてくる。美智子は、目を閉じた。

雨音が、遠くなっていく。代わりに、自分の心臓の音が、大きく響き渡った。

「…ごめんね」

誰に、何を謝っているのか、美智子自身にも、わからなかった。

その日、雨漏りの修理に来た大家と、美智子の間に、境界線は、曖昧になった。それは、後戻りできない、一線を越えた瞬間だった。

翌朝、雨は上がっていた。空には、かすかな晴れ間が覗いていた。美智子は、一人、リビングに座っていた。昨夜の出来事が、まるで夢だったかのようだ。しかし、頬に残る、大家の指先の温かさが、それが現実であったことを、静かに語っていた。

健一は、いつも通り、朝早くから釣りに出かけた。美智子は、その背中に、何の感情も抱かなかった。

窓の外では、潮風が、静かに吹いていた。それは、まるで、昨夜の出来事を、海が静かに受け流しているかのようだった。

美智子の心には、潮騒のような、複雑な感情が、静かに、しかし確実に、満ちていった。それは、孤独の影に、かすかな、しかし確かな、熱を帯びた感情だった。これから、どうなるのか。美智子にも、わからなかった。ただ、この静かな家で、彼女の日常は、静かに、しかし確実に、変化を始めていた。