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■ 令和の幕開け、私たちが選んだ道

令和元年、新たな元号が世に響き渡ったその日、私の人生もまた、静かに、しかし確かに、大きく動き出した。あの時、私はまだ、ごく普通の主婦だった。専業主婦として、夫と子供たちのために日々を過ごし、ささやかな幸せの中に安住していた。しかし、心の奥底には、ずっと満たされない渇きがあった。それは、自分自身への、そして人生への、冒険への渇望だったのかもしれない。

SNSで偶然目にした、ある募集広告。それが、私の人生を大きく変えることになる最初のきっかけだった。「素人熟女や今をときめく人妻のはじめてを30人厳選収録！！」という、刺激的な言葉が踊るその広告は、私の好奇心を強く刺激した。最初は、ただの刺激的なコンテンツだと、軽く流そうと思っていた。しかし、その広告が私の頭から離れなくなったのは、そこに書かれていた「赤裸々な告白」「旦那さんには隠しているイキ顔」「昨日まで普通の主婦が自慰ばかりの日々にサヨナラをつげ」「屈強な他人棒ピストンに狂いみだれる」といった、生々しく、しかしどこか魅惑的な言葉の数々だった。

それは、私自身の内に秘めた、封印していた願望を呼び覚ますような響きを持っていた。「普通の主婦」という肩書きに縛られ、日々のルーティンに埋もれていた私にとって、それはまるで、未知の世界への扉が開かれたかのようだった。夫には言えない、誰にも話せない、しかし、心の奥底でずっと求めていた解放。それが、この募集広告の向こう側にあるような気がしたのだ。

迷いはあった。夫の顔、子供たちの顔が浮かび、罪悪感が胸を締め付けた。しかし、このまま一生、何も変わらない日常を送り続けることへの、より大きな虚無感もまた、私を苛んだ。人生は一度きり。このまま、心の渇きを抱えたまま、静かに老いていくのだろうか。それとも、ほんの一瞬でもいい、自分自身のために、大胆な一歩を踏み出すのか。

決心したのは、その広告を目にしてから数日後のことだった。家族が寝静まった後、震える手で、その募集広告の連絡先にメールを送った。返信はすぐに来た。簡潔な、しかし、どこか誘うような、それでいてプロフェッショナルな雰囲気を纏ったメールだった。

数日後、私は、指定された場所へと向かっていた。心臓は激しく鼓動し、手足は冷たくなっていた。それでも、一歩一歩、その扉に近づいていく。まるで、運命に導かれるように。

その場所は、予想していたよりもずっと洗練された、しかしどこか秘密めいた雰囲気を持っていた。そこで、私と同じように、「普通」を脱ぎ捨て、新たな自分を見つけようとする女性たちと出会った。皆、私と同じような、あるいはそれ以上の緊張と期待を抱えていた。

「美人で貧乳スレンダーな若妻」という、私とは対照的な、しかし羨ましいような特徴を持つ女性。彼女の初々しさと、内に秘めた情熱とのギャップに、私は目を奪われた。「興奮に濡れ弾ける五十路六十路婦人」という、熟練された色香を纏った女性たち。彼女たちの堂々とした姿は、私に勇気を与えてくれた。「元号が変わりセンビレ初となった華麗なる七十路デビュー奥様」という、人生の先輩でありながら、新たな挑戦に身を投じる彼女の姿は、何よりも感動的だった。

そして、私自身もまた、この「30人厳選収録」という枠の中に、静かに、しかし確実に、その居場所を見つけていくことになる。

撮影当日。カメラのレンズは、まるで私の心の奥底まで見透かすかのように、鋭く光っていた。最初は、恥ずかしさで体が硬直し、言葉も出なかった。しかし、カメラマンの、紳士的でありながらも、時に挑発的な声かけに、徐々に心が解きほぐされていくのを感じた。

「昨日まで普通の主婦だったあなたが、今、ここで、自分自身のために、解放される瞬間です」

その言葉に、私は、長年自分を縛り付けていた見えない鎖が、音もなく外れていくような感覚を覚えた。夫には隠している、夫の前では決して見せることのない、私の「イキ顔」。それは、恥ずかしさと罪悪感と、そして何よりも、解放された自分自身への、感動に満ちていた。

「屈強な他人棒ピストンに狂いみだれる…」

その言葉は、私にとっては、未知の世界への扉を叩く音だった。最初は、抵抗があった。しかし、その抵抗は、徐々に、抗いがたい快感へと変わっていった。これまで、自分自身でさえ知らなかった、私の身体の奥底に眠っていた、奔放な性が、目を覚ましたのだ。

「8時間」。その時間の中で、私は、自分自身との、そして、未知の自分との、濃密な対話を繰り広げた。それは、単なる肉体的な快感だけではなかった。それは、長年抑圧してきた感情の解放であり、自己肯定感の再発見でもあった。

撮影が終わった後、私は、以前の私とは、明らかに違う自分を感じていた。身体は疲れていたが、心は、不思議なほどに満たされていた。それは、罪悪感からくるものではなく、自分自身を、ありのままに受け入れたことによる、穏やかな幸福感だった。

帰宅後、夫の寝顔を見つめながら、私は、静かに微笑んだ。この秘密は、私だけのもの。しかし、この秘密は、私を、より強く、より豊かにしてくれるだろう。

令和元年、私は、一つの「はじめて」を経験した。それは、単なる刺激的な体験ではなかった。それは、自分自身という人間を、深く見つめ直し、新たな可能性に気づかせてくれる、人生の転換点だった。

あの広告に導かれて、私は、自分自身の中にある、秘められた情熱と欲望に、素直に向き合うことを選んだ。それは、決して容易な道ではなかった。しかし、その道を選んだからこそ、私は、自分自身を、より深く愛することができるようになったのだ。

そして、この体験は、私だけのものではない。あの場所で出会った、個性豊かな女性たちもまた、それぞれの「はじめて」を通して、新たな自分を発見し、人生を輝かせていることだろう。

令和の幕開けと共に、私たちは、それぞれの「軌跡」を歩み始めた。それは、決して、道徳や常識に囚われることのない、自分自身の心に正直な、そして、何よりも、輝きに満ちた人生への、確かな一歩だった。